朝鮮戦争映画おすすめ20選!韓国VS北朝鮮、慟哭と涙の南北対立!

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朝鮮戦争映画おすすめ20選 戦争

この記事では、朝鮮戦争がテーマのおすすめ映画を20本紹介します。
とうとう、このテーマを扱うときがやってきました…!

朝鮮戦争映画は、戦争映画としてはニッチなところにありますが、実はすごく見どころがたくさんあるんです。
なので、この機会に、ぜひ、皆さんにも知って頂きたいと思います…!

朝鮮戦争は、とても切ない戦争です。
朝鮮戦争では、もともと同じ一つの国だった大韓民国(通称、韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(通称、北朝鮮)が争い合います。
つまり、同じ国だった人間同士、近しいもの同士が殺し合っているのです。
日本でいうなら、関東と関西が争い合っているようなものです。

関東の人は、関西にお友だちや恋人はいませんか?
関西の人は、関東に兄妹や親など、家族はいないでしょうか?

朝鮮戦争映画と涙
もともと一つの国同士が争いあうなんて、そんなのは無意味です。
国の都合で引き裂かれていく絆に、胸がどうしようもなく痛くなります。

慟哭と涙の南北対立は、観ていて本当に切ない。。。
でも、だからこそ、朝鮮戦争映画はドラマがあり、胸を打つことも事実なのです。
また、今をときめく、韓国のイケメン映画俳優や女優たちのイイ顔や熱演が観られるのもポイントだったりします。

今回は、そんな朝鮮戦争をテーマにした珠玉の映画たちの魅力を解説します。
名作・傑作・佳作、渾身のおすすめ20本を紹介するので、少しの間、付き合って頂ければ幸いです。
(目次を開くと、朝鮮戦争映画おすすめ20選がすべて表示されます。何の映画が選れているか、一つ一つ楽しんでいきたい人は目次を開かないことをおすすめします…!)

そもそも朝鮮戦争って何なの?

冒頭でも少し触れましたが、そもそも朝鮮戦争とは、どんな戦争なのでしょうか?

朝鮮半島 Googleマップ

朝鮮半島(大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国)
(出典:Googleマップ(2020年9月9日))

朝鮮戦争の映画を見るにあたって、ある程度、予備知識があると映画の理解度が格段に上がり、充実した映画体験となります。
なので、ここで少しだけ朝鮮戦争の基礎知識を紹介しておきますね。

早く朝鮮戦争映画のおすすめ20選が知りたい!
という人もいると思うので、できるだけ手短に解説しますね…!
もう、早くおすすめ映画の方を教えろ!
という人は、こちらから朝鮮戦争映画おすすめ20選の方へ進んじゃってください。

朝鮮戦争映画おすすめ20選

さて。
まず、朝鮮戦争は、どんな戦争なのでしょうか?
朝鮮戦争は、1950年から1953年の間に起こった、大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の戦争です。

朝鮮戦争が始まるきっかけは、1950年6月25日に、金日成率いる朝鮮民主主義人民共和国が事実上の国境線だった38度線を越え、大韓民国に攻撃を仕掛けたことでした。

38度線というのは、第二次世界大戦末期に、アメリカ軍とソ連軍の分割占領地域を区切るために引かれたラインです。北緯38度線上に引いたことから、38度線と呼ばれるようになりました。

朝鮮戦争映画では、38度線や、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国を2つに分ける『軍事境界線』上での出来事が描かれることが多いです。

朝鮮戦争の目的は?

朝鮮戦争の目的は、大韓民国・朝鮮民主主義人民共和国ともに、朝鮮半島の主権を握ることです。

しかし、これは、本来、無益で、無意味な争いである、とも言えます。
なぜなら、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国は、もともとは李氏朝鮮という一つの国だったからです。

なぜ、韓国と北朝鮮は2つに分かれたの?

では、どうして、朝鮮半島は、大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の2つに分かれてしまったのでしょうか。

それは複雑なので、一言では説明できません。
が、できるだけ簡潔に説明しようとするなら、以下のようになります。

先ほども説明したように、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国は、元々は、李氏朝鮮という一つの国家でした。
そんな李氏朝鮮は、1910年8月29日の韓国併合によって日本の植民地にされてしまいます。
しかし、日本が第二次世界大戦で敗北すると、ポツダム宣言によって朝鮮半島は返上されることになりました。

それにも関わらず、朝鮮半島は解放されませんでした。
なぜなら、朝鮮半島の北部にソ連軍が進出し、南部にはアメリカ軍が進出したからです。

ソ連・アメリカの両軍は、占領地の境界を北緯38度線に設定し、朝鮮半島を分断してしまいました。
その後、ソ連とアメリカの対立はどんどん深刻化し、本格的な冷戦時代へ突入していきます。

このような経緯の中、1948年には、朝鮮半島の中に、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国という2つの国が樹立することになります。
また、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国のように、元々一つだったのに分裂してしまった国家のことを分断国家といいます。

そして、大韓民国は西側陣営につき、朝鮮民主主義人民共和国は東側陣営につくことになったのです。

ここで、朝鮮戦争当時の大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の概要をまとめてみました。
(以降、大韓民国は韓国、朝鮮民主主義人民共和国は北朝鮮と略します)

【韓国・北朝鮮の概要】

国名 大韓民国 朝鮮民主主義人民共和国
通称 韓国 北朝鮮
樹立日 1948年8月15日 1948年9月9日
陣営 西側陣営 東側陣営
陣営に加わった
主な国家
・アメリカ合衆国
・西ヨーロッパ諸国
(イギリス、フランス、西ドイツなど)
・日本
・ソビエト連邦
・東ヨーロッパの衛星国
(ブルガリア、ルーマニア、東ドイツなど)
主義 ・資本主義
・自由主義
・共産主義
・社会主義

1950年になると、北朝鮮が38度線を超えて侵攻してきたことがきっかけで、この2つの国は本格的に争い合うようになります。
これが、朝鮮戦争の始まりです。

しかし、この戦争は、本来ならば、アメリカを筆頭とする西側諸国と、ソ連を筆頭とする東側諸国が戦うべき争いでした。
韓国と北朝鮮は、東西諸国の代わりに争わされたのです。
このように、アメリカやソ連のような主体となる国々が直接戦わず、別の国に戦わせる戦争のことを『代理戦争』といいます。

朝鮮戦争は休戦後もまだ終わっていない

ここで、朝鮮戦争の概要をまとめてみました。

【朝鮮戦争の概要】

戦争名 朝鮮戦争
戦闘期間 1950年6月25日~1953年7月27日
戦争の起こった場所 朝鮮半島
結果 南北分断状態のまま休戦協定が結ばれた
陣営 東側陣営 西側陣営
交戦勢力 大韓民国
国際連合軍
アメリカ合衆国
イギリス
朝鮮民主主義人民共和国
中華人民共和国
ソビエト連邦
(顧問団派遣および物資支給)
戦闘支援 コロンビア
フランス
カナダ
オランダ
ベルギー
トルコ
タイ
フィリピン
ルクセンブルク
ギリシャ王国
オーストラリア
ニュージーランド
エチオピア帝国
南アフリカ連邦
医療支援 デンマーク
インド
イタリア
イスラエル
ノルウェー
スウェーデン
チェコスロバキア
ハンガリー
ブルガリア
ポーランド
ルーマニア
その他の支援
(と掃海)
日本
エルサルバドル
キューバ
スペイン
中華民国(台湾)
インド
モンゴル人民共和国

(wikipediaを参考に作成)

大切なことなので繰り返しますが、
大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国は、本来、一つの国家(李氏朝鮮)だったのです。
それなのに、李氏朝鮮は、冷戦時代に西側・東側陣営の思惑によって南北に分断されてしまいました。
しかも、最悪なことに、分断されただけでなく、西側諸国と東側諸国の代理として、無理矢理戦わせられることになったのです。

先ほども例えましたが、朝鮮戦争は、日本で置き換えれば、関東と関西の2つの地域に分断して、争い合わせるようなものです。

このように考えると、朝鮮戦争が、とても不毛で哀しい争いだと分かって頂けるかと思います。
だから、朝鮮戦争映画は、苦しく、切なく、涙なしじゃ見られない映画なのです。

朝鮮戦争は期間は、1950年に始まり、3年後の1953年に休戦を迎えました。
しかし、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の対立は、朝鮮戦争勃発から70年以上が経過した今もなお続いているのです。
遠い未来に、朝鮮戦争の続きが再開されることもあり得るかもしれません。

おすすめの朝鮮戦争映画20選

お待たせいたしました!
ようやく、おすすめの朝鮮戦争映画が紹介できそうです!

さて。
朝鮮戦争映画の本場は、やっぱり、韓国です。
韓国は、朝鮮戦争の当事者だけあって、たくさんの朝鮮戦争映画をつくっています。
そして、韓国の朝鮮戦争映画は名作・傑作ぞろいです。

でも、韓国の映画ばかりじゃ視点が偏ってしまいます。
いろいろな角度から朝鮮戦争を知った方が良いと思うので、おすすめ20選のなかには、韓国以外の国が製作した映画も入れてみました。

アメリカ、中国、トルコといった参戦国の映画も加えているので、興味のある方は、ぜひ視聴してみてくださいね。
韓国の朝鮮戦争映画も負けずに面白いですよ…!

また、一つ補足があります。
この記事では、映画の情報をそれぞれ表にしてまとめていますが、その項目の一つである『人気・注目度』は、Google(あるいはAhrefs)のキーワードプランナーの月間平均検索ボリュームを基に、5点満点で採点しました。

人気・注目度 Google(あるいはAhrefs)の
月間平均検索ボリュームの範囲
★★★★★ 10,000以上
★★★★ 5,000以上10,000未満
★★★ 2,000以上5,000未満
★★ 500以上2,000未満
500未満

Googleの月間平均検索ボリュームは、任意のキーワードの12か月間における平均検索数を示しています。
たとえば、映画『ショーシャンクの空に』は、2020年8月の時点で月間平均検索ボリューム(以降、GKVと略します)を調べると74,000となります。
これは、『ショーシャンクの空に』というキーワードが、日本のユーザーによって、毎月74,000回ほど検索されていることを示しています。
つまり、GKV(月間平均検索ボリューム)の数字が大きいものほど、人気がある・注目されている映画であると解釈することができるかと思います。

なので、ぼくがおすすめするポイントと併せて、その映画の日本国内における人気度・注目度についても着目すると、より良い映画鑑賞ができるのではないでしょうか。

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②ブラザーフッド

映画タイトル ブラザーフッド
原題 原題:태극기 휘날리며
英題:Brotherhood
制作国 韓国
公開年 2004年
監督 カン・ジェギュ
脚本 カン・ジェギュ
主なキャスト
(ソフト版の吹き替え)
チャン・ドンゴン(森川智之)
ウォンビン(鉄野正豊)
イ・ウンジュ(花村さやか)
チェ・ミンシク(古澤徹)
コン・ヒョンジン(小森創介)

キム・スロ(小林正寛)

etc.

描かれる
年代と舞台
1950年の初夏から
朝鮮戦争
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★★
『ブラザーフッド』 4400
『ブラザーフッド映画』 170

『ブラザーフッド』は、朝鮮戦争映画の代表格とでも言える作品です。
朝鮮戦争に2人の兄妹が翻弄されるこの悲劇の物語は、朝鮮戦争そのものの縮図だと言っても過言ではないと思います。

カン・ジェギュ監督が、朝鮮半島分断を背景にしたスパイアクション『シュリ』の後に撮ったのがこの『ブラザーフッド』。
韓国では、前年の2003年に公開した『シルミド/SILMIDO』を超える大ヒットとなりました。

また、この映画は、日本でも韓流四天王として有名なチャン・ドンゴンとウォンビンという二大スターが共演しています。
そのため、日本での公開についても、興行収入15億円と、かなり好意的に迎えられました。

『ブラザーフッド』の物語は1950年の初夏、朝鮮戦争開始の直前から始まります。
やっと日本の植民地支配から解放され、ソウルは復興への希望で活気に溢れています。
そんな街で、ジンテ(チャン・ドンゴン)とジンソク(ウォンビン)の兄妹は、貧しくとも仲良く暮らしていました。

しかし、突如、朝鮮人民軍が38度線を超えて攻めてきます。
突然始まる朝鮮戦争に、民衆は事態を把握することができず、大混乱となります。
ジンソクも満18歳であるため、軍人として強制的に徴兵されてしまいます。
そして、それを助けようとしたジンテも、一緒に入隊させられてしまうのです。

ジンテは、弟を想うあまり、かれを除隊させるべく手柄を立てようとします。
ジンテは、危険な任務に積極的に志願し、命がけの行動で戦果を上げて英雄となるのです。

しかし、そんなジンテの想いは、ジンソクには伝わっていませんでした。
ジンソクは、兄の好戦的とも取れる行動に疑問を抱き、兄弟の溝はどんどん深まっていきます。

弟のためだけに命がけで戦ってきたのに、英雄として他人から賞賛されることで、次第に冷酷な人殺しへと変貌していくジンテ。
兄の真意を汲み取ることができず、自身が強くなることだけがこの戦争を生き延びる術であると思いこむジンソク。

お互いの人間的な弱さから絶縁した兄弟が、長い年月を経て、再び戦場で廻り逢うラストは涙なしでは見られません。

『ブラザーフッド』はすごいエモーショナルな映画でした。
特に、ぼくは、弟のためにここまで命をかけることができるのか、と、ジンテの家族を想う気持ちに激しく心を打たれました。
ジンテの叫びが、今も胸に残っています。

弟への愛情が凄すぎて暴走気味のジンテですが、熱い男で、ぼくはすごく好きです。
イケメンなだけじゃなく、本当に心がかき乱されるほどに熱血で……。
男のぼくでも惚れそうです。。。
チャン・ドンゴンは、何というか、哀しい宿命を背負った男の役が上手いですね。

『ブラザーフッド』は、ジンテとジンソク兄弟のお互いを想う気持ちにも注目して欲しいですが、実は、アクションについても超絶優れています!

砲弾が地面を割き、銃弾はあちこちで飛び交う。
火だるまの兵士が断末魔の叫びを上げ、血と肉片は飛び散ります。
そんなリアルで容赦がない戦闘描写は、『プライベート・ライアン』から大きな影響を受けていることは間違いなく、戦争というものの無情さを画を通して伝えています。

『ブラザーフッド』は、人間ドラマとしても面白く、戦争アクション映画としても楽しめる作品です。
過激な戦争描写が苦手な人でなければ、ぜひ、観ていただきたい朝鮮戦争映画の傑作です!

それにしても、チャン・ドンゴンといい、ウォンビンといい、韓国映画はどうしてこんなにも良い俳優が揃っているんだ…!!
頼むから、日本勢も負けないでくれよっ!!

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③JSA

映画タイトル JSA
原題 공동경비구역 JSA
制作国 韓国
公開年 2000年
監督 パク・チャヌク
原作 パク・サング・イオン
『JSA―共同警備区域 』
脚本
キム・ヒョンソク
イ・ムヨン
チョン・ソンサン
パク・チャヌク
主なキャスト
(ソフト版の吹き替え)
イ・ヨンエ(岡寛恵)
イ・ビョンホン(横堀悦夫)
ソン・ガンホ(山路和弘)
キム・テウ(五十嵐明)
シン・ハギュン(猪野学)

etc.

描かれる
年代と舞台
1999年
韓国と北朝鮮の共同警備区域(JSA)
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★★★
『JSA』6600
『JSA 映画』2900
(JSAというワードは、映画だけでなく複数の意味を持つが、映画JSAを示すサイトが上位にあるため、単品で検索する人も多いと考えられる)

『JSA』は、韓流ブームを代表する映画と言っていいでしょう。

なにしろ、韓国の話題作にはほぼ全て出ている?ソン・ガンホと、鍛え抜かれた肉体美と甘いマスクのイ・ビョンホン、そして、『お嫁さんにしたい女優第1位』に輝いたことがあるイ・ヨンエという韓国の3大スターが出演の大ヒット映画ですから。

でも、そういう浮ついた紹介の仕方が似合わないくらいにこの映画は胸にズシンと来ます。

この映画のタイトル『JSA』は、共同警備区域(Joint Security Area)を意味しています。
共同警備区域というのは、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の軍事境界線上にある約800メートル四方の地域のことです。

『JSA』の物語は、1999年10月28日、共同警備区域の北朝鮮側の詰所で、朝鮮人民軍の将校と兵士が、韓国軍兵士によって射殺される事件から始まります。
この事件は、韓国軍の兵士と朝鮮人民軍の兵士が、ふとしたことがきっかけで仲良くなってしまったことで起こった悲劇なのです。

朝鮮人民軍の兵士であるギョンピル(ソン・ガンホ)とウジン(シン・ハギュン)は、非武装地帯で地雷を踏んで動けなくなっている韓国軍兵士スヒョン(イ・ビョンホン)を見つけます。
情の深いギョンピルは、スヒョンの踏んだ地雷を解体してやり、それがきっかけで韓国軍の兵士と朝鮮人民軍の兵士の禁断の付き合いが始まるのです。

スヒョンは、命の恩人であるギョンピルを「兄貴」と慕い、軍事境界線を超えて、朝鮮人民軍の詰所まで遊びに行ってしまいます。

「国家統一の道が開かれた」と、テンションが高くなるギョンピルたち。
そこから、どんどん仲良くなり、やがて、スヒョンの相棒であるシンソク(キム・テウ)も加わり、修学旅行の夜の男子みたいなノリになっていきます(笑)

少しずつ深まっていく四人の絆……。
けれど、そんな男たちの夢の秘密基地のような場所は、突然の闖入者によって、あっけなく、跡形もなく壊されてしまうのです。

物語の最初に結果が示されるため、結末はもう分かっています。
だから、どのようにして、その悲劇へ至ったのかを、スイス軍少佐であるソフィー(イ・ヨンエ)が、視聴者の視点で調査していくことになります。

『JSA』の舞台は1999年なので、直接、朝鮮戦争を描いているわけではありません。
しかし『JSA』のテーマは、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の南北対立であり、それは、まさに朝鮮戦争の延長上にあるものです。

そのため、ぼくは『JSA』を朝鮮戦争を間接的に描いている映画として、ぜひ、この場所を借りて、この映画を紹介したいと思いました。

『JSA』で描かれていることは、南北対立の縮図であると言えます。
そして、国家が対立している状況で、対立国家に属する個人同士が心を通わせたらどうなるのか。
この映画は、そのシミュレーションであると言えるし、このような悲劇を回避するために何ができるのか、を考えさせてくれるでしょう。

映画のラストに映る一枚の写真が悲しいです。
あの写真に希望を見出すことはできるのでしょうか。

『JSA』は、一度観たら忘れられなくなる韓国映画の傑作です。

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④国際市場で逢いましょう

映画タイトル 国際市場で逢いましょう
原題 국제시장
制作国 韓国
公開年 2014年
監督 ユン・ジェギュン
脚本 ユン・ジェギュン
主なキャスト
ファン・ジョンミン
キム・ユンジン
オ・ダルス
ユンホ
チョン・ジニョン
チャン・ヨンナム
ラ・ミラン
キム・スルギ

etc.

描かれる
年代と舞台
1950年~
朝鮮戦争
ベトナム戦争
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★★
『国際市場で逢いましょう』3600

『国際市場で逢いましょう』は、韓国で大ヒットした映画で、歴代観客動員数4位を記録しました。(2019年時点)
また、この映画は、第52回大鐘賞(韓国のアカデミー賞とも言われる賞)の作品賞を含め10部門の賞を受賞しています。

『国際市場で逢いましょう』は、家族を守るため、朝鮮戦争、ベトナム戦争という激動の時代を生き抜いた男の物語。
朝鮮戦争からベトナム戦争、そして現代へ至る物語なので、この映画のなかでは実に50年以上の歳月が流れることになります。

その意味では、まさに人生を描いた映画と言えますし、近代韓国史を描いた映画であるとも言えるでしょう。

この物語の主人公ユン・ドクスの波乱万丈の物語は、まさに朝鮮戦争から始まりました。
少年だったドクスとその家族は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の興南(フンナム)区域に住んでいます。
しかし、1950年12月に中国義勇軍が攻めきたため、アメリカ海軍の艦船に乗って脱出することになりるのです。(興南撤収作戦

興南撤収作戦のときに、ドクスたち一家は、妹のマクスンと父親と離れ離れになってしまうのです。
幼いドクス少年は、父にマクスンを頼まれていましたが、混乱のなか、妹の行方を見失ってしまいます。

ドクスの父親は、はぐれてしまったマクスンを探すために船を降ります。

船を降りる前に、父はドクスに言いました。
「いいか、ドクス、父ちゃんがいないときはおまえが家長になるんだ。家長はどんな時も家族が優先だ。今からおまえが家長だ。家族を守れ」

それ以来、ドクスは、家族を第一優先にして行動をするようになります。
家長として、家族の幸せのため、自分を犠牲にしてがんばり続けるのです。

ドクスは、朝鮮戦争以降、弟の大学進学資金を稼ぐため、西ドイツの炭鉱へ出稼ぎにいったり、ベトナム戦争に参加したりすることで、家計を支えようとします。
当時の韓国は貧しく仕事がなかったことから、国民を西ドイツへ鉱夫や看護師として派遣していました。
また、経済発展のためにベトナム戦争に参戦したり、そこで歌手のナム・ジン(南珍)に出会ったり(笑)したことは史実に基づくものです。

いつだってドクスは家族のために生きています。
ドクスは、妹と生き別れてしまったことを自分のせいだと思っており、妹と再会できるまで、父親の言ったことを頑なに守り続けます。
本当に、いつでも自分のことは二の次で、ずっと自分を犠牲にして生きるドクスを見ていると切なくなります。

2児の父親であるぼくは、ドクスのような家長になることは本当に難しいことだ、と感じています。
どんなときでも自分を犠牲にして、家族のために尽くすこと。
当り前のようなことですが、きちんとそれが出来ている人はどれだけいるのでしょうか。

映画を観て、何度もウルウルするところがあり、韓国映画特有の人情味あふれる感じがいいなぁ、と思いました。

頑固で不器用だけれど、家族への愛が人一倍のユン・ドクス(ファン・ジョンミン)は、国籍は違うかもしれませんが、何だか、とっても親近感が湧きます。
チャン・ドンゴンやウォンビンも格好良くて魅力的なんですが、ぼくは、こういう純朴な青年を演じることができるファン・ジョンミンにも惹かれるものがあるんです。

それにしても、韓国映画の俳優のレベルの高さには本当に脱帽しますね。
ファン・ジョンミンは、本当に素晴らしい俳優です。

ファン・ジョンミンは、この映画で大鐘賞の主演男優賞を取りました
が、その4年後に『工作 黒金星と呼ばれた男』で、二度目の主演男優賞を獲得することになります。

でも、それも当然と思えるほど、かれは本当に演技の幅が広い俳優なんです。
『国際市場で逢いましょう』では、不器用で頑固、愛情あふれるドクスを演じていましたが、その一方で『アシュラ(ASURA)』では、身の毛もよだつような悪徳市長ソンベを演じ……。

この映画が気に入った人は、ファン・ジョンミンの他の作品も見てみることをおすすめします…!

『国際市場で逢いましょう』は、朝鮮戦争のパートは短めですが、この戦争で、家族が離れ離れになってしまいました。
ドクス一家は、この戦争のせいで、故郷の興南に帰れなくなり、父親と妹を失うことになったのです。
繰り返しになりますが、ドクスの波乱万丈の物語は、まさに、朝鮮戦争から始まりました。
しかし、この物語で描かれていることは、あの時代を生きていた韓国の人々のだれが体験していてもおかしくないことなのです。
一家族の家長の人生について、普遍性を持って描き切った、本当に素敵なお話だと思います。

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⑤高地戦

映画タイトル 高地戦
原題 韓国原題:고지전
英題:The Front Line
制作国 韓国
公開年 2011年
監督 チャン・フン
脚本 パク・サンヨン
主なキャスト
シン・ハギュン
コ・ス
イ・ジェフン
イ・デビッド
リュ・スンリョン
コ・チャンソク
チョ・ジヌン
チョン・インギ
パク・ヨンソ
リュ・スンリョン
キム・オクビン
チョン・グックァン
チェ・ジョンウ
キム・ガンイル
ホン・ヨングン
イ・スンウォン

etc.

描かれる
年代と舞台
1953年冬
朝鮮戦争末期
南北境界線付近のエロック高地での戦い
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★
『高地戦』1100
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もし、こちらの記事を読んでいる皆さんが、朝鮮戦争映画の名作『高地戦』を見ようとしているのであれば、もう何も言わずに直ちに『高地戦』を視聴してください。

間違っても、ジャケットに書いてある解説なんて読まないください!
予告編もネタバレ甚だしいので、間違っても再生してはいけません!!

いや、ホンットウに見ないでください!!!

ぼくは、誤って、予告編を見てしまい、映画の面白さが半減してしまいました。
本当なら、極上の映画体験ができたはずなのに、
「俺の絶望を返せ!!」
と高地戦の予告編をつくった制作会社に小一時間ばかり説教してやりたいですね。

そんな『高地戦』は、本当に悲惨(極上?)な戦争体験が味わえます。
製作者が、プライベート・ライアンを超えようと意気込み過ぎるあまり、更なる悲惨な戦場が展開される映画となってしまいました。

それにしても、3年で休戦を迎えたはずの朝鮮戦争で、こんなにも血みどろの地獄が繰り広げられていたなんて驚きです。

ああ、もっと『高地戦』について語りたい。
けれど、ネタバレしたくないので、もう語りたくありません…!
とにかく、何も言わずに見てください。

そして、観終わったあと、
「ああ、これが映画の世界でホントに良かった……」
と胸を撫で下ろしてください。

でも、忘れないでください。
『高地戦』で起きたことは史実であり、このような思いをして死んだ50万人の骸があることを、ぼくたちは覚えておかなければならないのです。
この映画で再現された地獄を目に焼き付けることで……。

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⑥シルミド / SILMIDO

映画タイトル シルミド / SILMIDO
原題 실미도
制作国 韓国
公開年 2003年
監督 カン・ウソク
脚本 キム・ヒジェ
主なキャスト
(ソフト版吹き替え)
アン・ソンギ(津嘉山正種)
ソル・ギョング(てらそままさき)
ホ・ジュノ(中村秀利)
チョン・ジェヨン(山路和弘)
イム・ウォニ(高木渉)
カン・シニル(辻親八)
イ・ジョンホン(咲野俊介)
カン・ソンジン(藤原啓治)
オム・テウン(伊藤健太郎)

etc.

描かれる
年代と舞台
1968年~1971年
1968年1月21日 青瓦台襲撃未遂事件
1971年8月23日 実尾島事件
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★★
『シルミド』2300
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『シルミド / SILMIDO』は、まさに朝鮮戦争の延長戦とでも言うべき映画。
1971年に起きた実尾島事件(シルミド事件)を描いた実録系アクション映画の傑作です。

映画の冒頭、いきなりパイレーツ・オブ・カリビアンのテーマをパクったような音楽が流れ、大丈夫かと不安になるのですが、安心してください。
(どちらの映画も公開年は2003年。若干、パイレーツ・オブ・カリビアンの方が早いですが……)
『シルミド / SILMIDO』は、視聴して決して損はありません。
むしろ、胸アツの展開があなたを待っていますよ…!

先ほども言ったように、『シルミド / SILMIDO』は史実を元にしています。
映画が公開された当初、
「まさか、あの韓国でこんなことが行われていたとは……」
とビックリした人も多いのではないでしょうか。

なにしろ、韓国政府が、死刑囚といった極悪犯罪者たちを集めて実尾島で訓練し、金正日(キム・ジョンイル)を暗殺するための部隊をつくっていたのですから。

これは、本当にとんでもないことです。
まるでアニメや漫画の世界ですよね…!

しかも、その暗殺部隊は暴動を起こし、ソウル市内へ突入しました。
バスを乗っ取り、軍と警察を相手に銃撃戦を展開します。
その結果、民間人を含む57人の死亡者を出すことに…!

なぜ韓国が、金正日(キム・ジョンイル)暗殺部隊をつくろうとしたのかというと、ことの発端は、1968年1月に起きた青瓦台襲撃未遂事件がありました。
青瓦台襲撃未遂事件は、北朝鮮の兵士31人が、朴 正煕(パク・チョンヒ)大統領と閣僚の暗殺のためにソウル市内に潜入。韓国軍と大銃撃戦を繰り広げた事件です。

この事態に韓国政府は怒り心頭、
「そっちがその気なら、こっちも31人揃えて、金正日に暗殺部隊を送りつけてやんよ!」
と、犯罪者と韓国社会の底辺にいるいなくなっても誰も困らない人間たちを集め、怪我人どころか死者が出るような訓練をして、立派なソルジャーに育て上げます。

韓国空軍准尉(アン・ソンギ)は、犯罪者たちに言います。
「貴様らは、この実尾島で軍事訓練し、そして、北朝鮮に潜入し、金正日を殺す!
暗殺が成功すれば、過去の罪は帳消し!我が国は、貴様らを英雄として迎えてやろう!」

かくして、かれらは、最後の敗者復活戦と腹をくくり、金正日を殺すための地獄の訓練を受けることにします。

こうして育てられた暗殺部隊は、通称684部隊と呼ばれ、訓練開始から3年後、見違えるような逞しい姿となっていました。
しかし、ようやく、溜まりに溜まったフラストレーションを金正日に爆発させようとした突如、本部から金正日暗殺作戦中止の連絡があるのです……。

「冗談じゃねえ!金正日を殺させろ!!」
3年もの間、人死にが出るほど地獄の訓練を耐え抜いた戦士たちです。
ここまで来て、抑えられるわけがありません。
しかも、作戦を中止するどころか、684部隊のメンバー全員を抹殺しろ、との命令まで下ります。

ここから、韓国映画界のいい顔をした男たちが、男泣きし、シャウトする熱血と涙の展開が待っています。

ところで、実尾島事件の映画化は、韓国政府にとって都合が良いとは言えなはずですよね。
それにも関わらず、こんな映画を、よくもつくってくれたな…!
と、カン・ウソク監督率いる製作スタッフ、キャストへ拍手を送りたい気持ちです。

やはり、韓国映画には、最近のハリウッドや日本の映画に欠落しがちな反骨精神のようなものがあります。

朝鮮戦争は休戦しているとは言っても、まだ続いています。
『シルミド / SILMIDO』は、朝鮮戦争後も続く仁義なき争い、朝鮮戦争の延長戦として見ることができるのではないでしょうか。

『シルミド / SILMIDO』や『JSA』といった映画は、このような延々と続く戦いで傷ついた国民の痛みを代弁するためにあるのです。

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【補足】
『シルミド / SILMIDO』は、実話を元につくられた映画ですが、映画を盛り上げるために作り変えている部分もあります。
映画を観て細かい部分が気になった人は、実際の事件についても調べてみるのも面白いかと思います。

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⑦M★A★S★H マッシュ

映画タイトル M★A★S★H マッシュ
原題 M★A★S★H
制作国 アメリカ合衆国
公開年 1970年
監督 ロバート・アルトマン
原作 リチャード・フッカー
脚本 リング・ラードナー・ジュニア
主なキャスト
(ソフト版吹き替え)
ドナルド・サザーランド(羽佐間道夫)
トム・スケリット(青野武)
エリオット・グールド(内海賢二)
ロバート・デュヴァル(宮田光)

サリー・ケラーマン(小原乃梨子)
ルネ・オーベルジョノワ(納谷六朗)
ロジャー・ボーウェン(村越伊知郎)
ジョー・アン・フラッグ(小宮和枝)
G・ウッド
ジョン・シャック
ゲイリー・バーゴフ
フレッド・ウィリアムソン
バッド・コート

etc.

描かれる
年代と舞台
朝鮮戦争
前線から5キロ手間にある陸軍基地。
そこの第407移動野戦外科病院
Mobile Army Surgical Hospital(通称MASH)が舞台
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★
『MASH』6600
『マッシュ』110000
『MASH映画』210
『マッシュ映画』480
※MASH、マッシュには映画以外の意味があること、50年以上前の映画であることから★は2つと判断。

ここで笑いの小休止を。
『M★A★S★H マッシュ』は、朝鮮戦争を舞台にしたブラックコメディ映画です。
MASHこと、移動野戦外科病院(Mobile Army Surgical Hospital)で働く3人の軍医の物語が描かれています。

『M★A★S★H マッシュ』は、あまりにおちゃらけ過ぎた内容であるため、アメリカ陸軍は製作に圧力をかけられないか検討した、という逸話があります。
結局、実行はされませんでしたが、アメリカ陸軍は、同じ70年に公開された『パットン大戦車軍団』の方を公式では推奨することにしました。

そんな『パットン大戦車軍団』は、第43回アカデミー作品賞、監督賞を受賞しましたが、興行的に成功したのは『M★A★S★H マッシュ』の方でした。
なにしろ『M★A★S★H マッシュ』は、製作費たったの300万ドルで、興行収入8200万ドルのスマッシュヒットを記録したのですから。(ダジャレ、寒いですね)

『M★A★S★H マッシュ』は、アカデミー作品賞こそ取れなかったものの、同年のアカデミー脚色賞を受賞しています。
(実は、脚本を担当したリング・ラードナー・ジュニアの脚本はほとんど使われず、会話はほぼ全てドナルド・サザーランドのアドリブという話もありますが)

『M★A★S★H マッシュ』は、朝鮮戦争時の軍医の活躍を描いた映画です。
でも、トレンドを押さえたギャグは凄く面白く、ベトナム戦争中のアメリカ国民にも、非常に好意的に受け入れられました。
後にドラマ化もされ、テレビドラマ版の『マッシュ』は、10年以上も続く人気ドラマとなります。

ちなみに『M★A★S★H マッシュ』はコメディ映画ですが、描写はかなりリアルです。
監督であるロバート・アルトマンは、第二次世界大戦のときに陸軍航空隊の爆撃手として戦っており、きちんと戦場というものを知っている男です。
そのため、ギャグが、ただのおふざけになっていないのです。
負傷者の凄惨な姿も、朝鮮戦争の激しさを物語っています。

ぼくは、『M★A★S★H マッシュ』に出てくる軍医たちがバカげたいたずらに耽るのは何でなのか、考えていました。
もしかしたら、戦争のような悲惨な状況下で、唯一、人を救ってくれるのはユーモアだけなのかもしれないですね。

『M★A★S★H マッシュ』は、超おすすめです。
メインとなるストーリーはないに等しいのですが、会話劇が面白く、さくさくと見れます。
そして、一度見たら、忘れられなくなるでしょう。

淡々と畳みかけるようなギャグとテンポの良い演出は、今観ても古びていません。
むしろ、一周して、とっても新しい…!
今こそ観て頂きたい戦争コメディ映画の傑作です!!

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⑧トンマッコルへようこそ

映画タイトル トンマッコルへようこそ
原題 原題:웰컴 투 동막골
英題:Welcome to Dongmakgol
制作国 韓国
公開年 2005年
監督 パク・クァンヒョン
原作 チャン・ジン
脚本 チャン・ジン
パク・クァンヒョン
キム・ジュン
音楽 久石譲
主なキャスト
シン・ハギュン
チョン・ジェヨン
カン・ヘジョン
イム・ハリョン
リュ・ドックァン
ソ・ジェギョン
スティーブ・テシュラ―

etc.

描かれる
年代と舞台
1950年11月
朝鮮戦争
太白山脈の奥地トンマッコル
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★
『トンマッコルへようこそ』720
『トンマッコルへようこそ映画』10

『トンマッコルへようこそ』は、韓国では800万人を動員し、2005年の最多観客動員数を達成した超ヒット映画です。

そして、なんと、この映画では、我ら日本が誇る作曲家、久石譲さんが音楽を担当しています。
久石譲さんは、スタジオジブリの宮崎駿監督の長編アニメーションを、『風の谷のナウシカ』から『風立ちぬ』までのすべての音楽を手掛けています。
そんな久石譲さんだけあって、劇中音楽がとても美しいです。

でも、『トンマッコルへようこそ』は音楽だけじゃありません。
内容もとても素晴らしいのです。

『トンマッコルへようこそ』のあらすじですが、敵国の軍人同士が同じエリアで一緒に生きることになり、喧嘩しながらも次第に仲良くなっていく、いわゆる『敵国軍人仲良しもの』です。
(そんなジャンルが存在するのかどうか分かりませんが)

このような設定は、日本でも『太平洋の地獄』という映画がありますし、先に紹介している朝鮮戦争映画『JSA』も、その亜流と言えるでしょう。

どうも、朝鮮戦争映画は『敵国軍人仲良しもの』と相性が良い傾向にある気がします。
何しろ、元々は一つの国だったものが韓国と北朝鮮に分断されたわけですから、日本で言えば、関東と関西が争い合っているようなものです。
だから、お互いに共通しているものも多く、本当は、分かり合ったり、仲良しになったりできる要素が満載なのです。

『トンマッコルへようこそ』では、北朝鮮解放軍兵士と韓国軍兵士、アメリカ軍の兵士たち計6人が、最初は争いながらも、お互いの偏見やわだかまりを解いていくのです。

いつしか、6人は、お互いのことだけでなく、トンマッコルという村のことも好きになっていきます。
しかし、連合国軍の追撃の手は、トンマッコルにまで向けられようとしていました。
かくして、村を守るべく、両軍兵士たちの共闘が始まります。

ぼくは、『トンマッコルへようこそ』を観終わったとき、しばらく涙が止まりませんでした。
なんて切ない映画なんだろう。。。
そして、戦争とは、なんて下らないことなんだろう。

北朝鮮解放軍兵士と韓国軍兵士、アメリカ軍の兵士、それぞれの心を通わせることができたのは、トンマッコルの無垢で、争い合うことを知らない人々のおかげでした。
世界のすべてが、このような村だったら、争いなんて起きないのに……。

心清らかでいようとすることは、争い合い、憎み合う人々を融和に導く鍵なのではないでしょうか。
たとえば、赤ちゃんが生まれることで夫婦の仲が良くなったり、喧嘩していた祖父母と分かり合えたりすることもあると思います。

もし、この村のような無垢な存在が、人と人を融和に導く希望であるならば……。
命がけでトンマッコルを守ろうとした兵士たちと同じように、ぼくたちも、自分たちのトンマッコルを、命をかけて守らなければいけないのだ、と感じました。

『トンマッコルへようこそ』は、切なくも、愛おしい朝鮮戦争映画の傑作です。

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⑨オペレーション・クロマイト

映画タイトル オペレーション・クロマイト
原題 인천상륙작전 / Operation Chromite
制作国 韓国
公開年 2016年
監督 イ・ジェハン
脚本 イ・ジェハン
イ・マニ
主なキャスト
(吹き替え)
イ・ジョンジェ(寸石和弘)
イ・ボムス(高橋大輔)
リーアム・ニーソン(石塚運昇)
チン・セヨン(矢口千博)
チョン・ジュノ(水越健)
パク・チョルミン
キム・ヒジン
キム・ビョンオク
パク・ソンウン
ジョン・グリース
ジョシー・ビセット
イ・ウォンジョン
キム・ソナ
秋山成勲

etc.

描かれる
年代と舞台
1950年
朝鮮戦争
仁川上陸作戦、通称・クロマイト作戦
また、その準備のためのスパイ活動を描く
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★
『オペレーション・クロマイト』880
『オペレーション・クロマイト映画』50

『オペレーション・クロマイト』も、韓国で大ヒットした北朝鮮映画の秀作です。
韓国では、興行収入ランキングで初登場1位となり、700万人以上の観客を動員しました。

『オペレーション・クロマイト』は、仁川上陸作戦(作戦コードネーム、クロマイト作戦)がテーマとなっています。
朝鮮戦争は、1950年6月に北朝鮮が国境線である38度線を超えて、武力によって南側へ侵攻してきたことがきっかけでした。

韓国軍とアメリカ軍は、北朝鮮と中国人民義勇軍の勢いに押されて次々と敗退し、一時は韓国南端の釜山(プサン)まで追い詰められました。

そんな事態を重く見た国連軍最高司令官であるダグラス・マッカーサー(リーアム・ニーソン)は、巻き返しのために仁川(インチョン)からの上陸作戦を計画します。

そして、仁川上陸作戦(クロマイト作戦)を確実なものとするため、韓国軍兵士を潜入工作員として仁川に送り込み、スパイ活動をさせるのです。

マッカーサー(リーアム・ニーソン)の見せ場もありますが、もちろん、主役は韓国軍の潜入工作員たち。
敵役であるリム・ゲジン大佐(イ・ボムス)のしぶとさと存在感は、物語を大いに盛り上げてくれ、スパイ映画としてもアクション映画としても見どころあるものになっています。

『オペレーション・クロマイト』が、実際の仁川上陸作戦に忠実な作品かといえば、それは賛否両論あります。
しかし、この映画は、他の戦争映画をよく研究していることも分かり、エンターテイメントのツボを押さえているので、ぼくは、かなり楽しめました。

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⑩戦火の中へ

映画タイトル 戦火の中へ
原題 原題:포화 속으로
英題:71 In to the Fire
制作国 韓国
公開年 2011年
監督 イ・ジェハン
脚本 イ・マニ
主なキャスト
(吹き替え)
クォン・サンウ
T.O.P
キム・スンウ
チャ・スンウォン
パク・チニ

etc.

描かれる
年代と舞台
1950年
朝鮮戦争
浦項の戦い
韓国軍に学徒動員された少年たちと朝鮮人民軍766部隊との戦い
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★
『戦火の中へ』720
『戦火の中へ映画』110

『戦火の中へ』は、朝鮮戦争で学徒動員された16歳の少年の手紙を元にして製作された戦争映画です。
朝鮮戦争における浦項の戦いを中心に描いています。

1950年。
韓国軍は、朝鮮人民軍によって首都ソウルを陥落されるなど、劣勢を強いられていました。
朝鮮半島南端、釜山(プサン)まで追い詰められた韓国軍は、全兵力を洛東江流域に集め、反撃を試みます。
ですが、それによって、戦略上の拠点としていた浦項に滞在していた部隊も移動することになってしまうのです。
そこで、韓国軍は部隊本部を駐留させていた女学校の校舎を守るため、71名の学徒兵を充てることになりました。

学徒兵というからには、兵隊として戦うのは学生です。
浦項の戦いでは、まだ18歳にも満たない少年たちが勇敢に戦っていたのです。

少年兵が戦争に参加することは、戦争において珍しいことではありません。
少年兵は、第二次世界大戦やベトナム戦争などでも活躍していました。
日本では、沖縄決戦で14歳から17歳の少年が戦いに参加しています。
もっと古くは、戊辰戦争の局面の一つ、会津戦争時に会津藩が組織した白虎隊が有名かと思います。
儚く散っていった白虎隊も、16歳から17歳の武家の男の子によって構成された部隊でしたね。

浦項の女学校を守るのは、中隊長を任されたオ・ジャンボム(BIGBANのT.O.P-本名チェ・スンヒョン)や不良グループのリーダー、ガプチョ(クォン・サンウ)などです。
ジャンボムは、不良グループと衝突しながらも、なんとか71名の学徒兵をまとめます。

そして、とうとう、朝鮮人民軍の第766独立歩兵連隊、通称、766部隊が南下。
浦項の女学校には学徒兵しかいない、という情報を入手した766部隊の大隊長パク・ムラン少佐(チャ・スンウォン)は、自ら女学校を訪れます。
「降伏せよ」
しかし、パク少佐の要求をジャンボムは断固拒否。

これによって、766部隊の女学校の校舎への攻撃が始まるのです。

映画の出来は素晴らしく、ジャンボムを演じるT.O.Pの演技は、口数は少なくても、この戦争に対する恐怖や怒り、悲しみなどが伝わってきました。
T.O.Pは、『戦火の中へ』の演技が評価され、数々の映画祭の新人賞を受賞したことも納得です。

でも、なぜ、これだけの映画に吹替が付かないのか?
それが残念でなりません。

『戦火の中へ』は、T.O.Pが好きな人だけでなく、戦争映画が観たい人、韓国の映画に興味がある人など、幅広く楽しめる映画だと思います。

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⑪戦場のメロディ

映画タイトル 戦場のメロディ
原題 Thinking of My Older Brother
制作国 韓国
公開年 2016年
監督 イ・ハン
脚本 イ・ウンジョン
主なキャスト
(吹き替え)
イム・シワン(ZE:A)
コ・アソン
イ・ヒジュン
チョン・ジュンウォン
イ・レ
イ・ジュニョク
パク・スヨン
タン・ジュンサン

etc.

描かれる
年代と舞台
1951年8月~
朝鮮戦争で家族を失った子供たちによる児童合唱団の物語
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★
『戦場のメロディ』480
『戦場のメロディ映画』20
※『戦場のメロディ』は、2009年にフジテレビで放送されたテレビドラマも存在。
ただし、『戦場のメロディ』で検索したときに、韓国の映画を紹介するサイトがほとんどのため、星2つと判断。

『戦場のメロディ』は、韓国の男性アイドルグループ『ZE:A』のイム・シワンが主演を務める、韓国版『サウンド・オブ・ミュージック』とも例えられたヒューマンドラマの傑作です。
実話がベースとなっており、戦争によってすべてを失った孤児たちが、歌によって人々の心を癒していく感動作です。

泣けるシーンばかりなので、ヒューマンドラマが好きな人は、ぜひ見て頂きたいですね。
あまり有名じゃないけれど、埋もれている朝鮮戦争映画の隠れた名作です。

『戦場のメロディ』の物語は、1951年8月から。

主人公であるハン・サンヨル少尉(イム・シワン)が、朝鮮戦争によって家族と親友を失い、失意のどん底へ落ちたところから始まります。
そんなサンヨル少尉は、1952年、上司の推薦で最前線から釜山に転属となり、そこで家族を亡くした戦災孤児たちの面倒を見ることに。
音楽が得意であるサンヨルは、戦災孤児を集めて児童合唱団をつくり、歌を教えることを思い付くのです。

最初はとまどいがちな子供たちですが、歌を通してだんだんと笑顔になっていきます。
しかし、そんな児童合唱団は、危険な最前線で慰問公園を行うことになるのです……。

『戦場のメロディ』は、本当に過酷な子供たちの現実が真正面から描かれており、なかなかシビアです。
たとえば、児童合唱団に入ることになる子供、オ・ドング(チョン・ジュンウォン)とオ・スニ(イ・レ)の兄妹は、父親を亡くしています。
オ兄妹の父親が死んでしまった原因は、オ・スニにありました。

オ・スニは、自分が歌った歌が原因で、父親がアカ(朝鮮人民軍)に手を貸したことがバレて、結果、父親を殺されてしまいます。
朝鮮戦争の戦時下では、南では共産主義者の嫌疑をかけられた市民が処刑されることは珍しくありませんでした。
しかし、いくら戦争中とはいえ、自分の歌のせいで親が殺される、なんて、子供にとって、これほど残酷なことはありません。
その日を境に、美しい歌声を持つオ・スニは歌うことができなくなってしまいました。

そんなオ・スニが自らの過去の傷と向き合い、やがて、歌い始めるシーンは、本当に感涙の名シーンだと思います。

また、主人公であるサンヨルの過去も悲しく、かれの過去が、朝鮮戦争で孤児となった子供たちの姿と重なっていきます。

二度と子供たちに悲しい思いをさせないため、尽力するサンヨルの姿を観ていると、自然と涙が出てきてしまいます。

いやー、ホントに泣けるシーンが多くて困ってしまいました。

ぼくは、『戦場のメロディ』を観て、

・深い傷を負ってしまった人々や、そんな人々が、どうすれば再び前を向いて生きていくことができるのか。
・理不尽に人の命や幸せを奪っていく戦争や暴力と、どんな風に戦えばいいのか。

このようなことを教えられたような気がしました。

また、心に戦争の深い傷を持つオ・スニのような子供の歌だからこそ、朝鮮戦争で傷ついた兵士の心を癒すことができるのだ、と感じています。

その理由は、オ・スニのような子供と、戦争で傷を負った兵士たちは、同じ地獄を見たもの同士だからです。
相手の気持ちが分かるからこそ、その歌は、心の奥深くにまで入り、心を動かすことができるのではないでしょうか。

『戦場のメロディ』は、戦争の心の傷と向き合い、歌うことを通して再生していく人々の姿が描かれている感動作です。

子供たちの歌声がとても綺麗で、個人的にはサントラも入手したくなりますね。
心が荒んだり、傷ついたりしたときに聴きたいです…!

『戦場のメロディ』は、たくさんの人に観てほしい傑作です!

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⑫サヨナラ

 

映画タイトル サヨナラ
原題 Sayonara
制作国 アメリカ合衆国
公開年 1957年
監督 ジョシュア・ローガン
原作 ジェームズ・ミッチェナー
脚本 ポール・オズボーン
主なキャスト
マーロン・ブランド
レッド・バトンズ
ナンシー梅木(ミヨシ・ウメキ)
高美以子
パトリシア・オーウェンズ
ジェームズ・ガーナー
マーサ・スコット
リカルド・モンタルバン

etc.

描かれる
年代と舞台
朝鮮戦争時の日本が舞台
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★
『サヨナラ』14800
『サヨナラ映画』320
※サヨナラで検索したときに、曲が一番に上位し、次が映画サイト。また、1957年の古い映画であるため、注目度は星2つと判断。

『サヨナラ』は、朝鮮戦争中の日本を舞台にした、アメリカの軍人と日本の花形の女性との異色の恋愛映画です。
製作国は、アメリカ合衆国であり日本との合作ではありませんが、朝鮮戦争当時の日本の風景を味わうことができます。

主演は、『地獄の黙示録』や『欲望という名の電車』など代表作多数のマーロン・ブランド。
朝鮮戦争で撃墜王と呼ばれ活躍した米空軍のロイド・グルーバー少佐をマーロン・ブランドが演じます。

グルーバー少佐は、婚約者アイリーン(パトリシア・オーウェンズ)の父であるウェブスター将軍のはからいにより、日本で内地勤務することになります。
グルーバー少佐とアイリーンは、日本で久々に逢いますが、その仲はぎこちなく、しっくりいっていません。
求婚してくれないグルーバー少佐に対して、かれの心に迷いがあることをアイリーンは気付いていたのです。
そんななかで、グルーバーは歌劇の花形スターであるハナオギと出会い、彼女の美しさに心を惹かれていくのです。

『サヨナラ』は、グルーバー少佐とハナオギ(高美以子)と、ケリー(レッド・バトンズ)とカツミ(ナンシー梅木)の2組のカップルの物語が並走して進んでいきます。

美男美女カップルであるマーロン・ブランドと高美以子の物語も良いのですが、個人的には、レッド・バトンズとナンシー梅木(ミヨシ・ウメキ)のカップルが好きでした。

特に、ナンシー梅木が演じるカツミは、そんなに美人ではないのですが、仕草、振る舞いが可愛らしいんです。
カツミのことが、もっと観たい! と思えました。

皆さんもご存知かと思いますが、1950年代という時代に、アメリカ人と日本人が恋愛をすることは、大きな障壁が存在しました。
今も昔も、このような壁を乗り越えて、愛し合うことはとても勇気がいることです。
障害をものともせず、自分の気持ちに正直に人を愛することは、なんて尊いことなのでしょうか。

『サヨナラ』はシビアで悲しい側面も描きつつ、最後には、前向きな気持ちになれる素敵な映画です。
大作特有の大げさな感動はありませんが、しみじみ、じんわりと感動したい人にはおすすめです。

朝鮮戦争中の時代を描いた映画ではありますが、舞台は日本であるため、戦争による直接的な暴力描写はありません。
暴力や残酷描写が苦手な人でも安心して楽しむことができるでしょう。

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【補足】
先ほども少し触れましたが、
レッド・バトンズとナンシー梅木(ミヨシ・ウメキ)は、『サヨナラ』の演技が高く評価され、1957年のアカデミー助演男優賞とアカデミー助演女優賞を受賞しました。

特に、ナンシー梅木は、アジア人初のアカデミー賞の獲得者でもあります。
このようなこともあって、『サヨナラ』は、我々日本人にとっても特別な映画なのです。

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⑬ブレイブ・ロード 名もなき英雄

映画タイトル ブレイブ・ロード 名もなき英雄
原題 Ayla: The Daughter of War
制作国 トルコ共和国
公開年 2017年
監督 カン・ウルカイ
脚本 イジット・グラルプ
主なキャスト
イスマエル・ハシオグル
キム・ソル
セティン・テキンドル
アリ・アタイ
ムラート・ユルドゥルム
タネル・ビルセル
ダムラ・ソンメズ
エリック・ロバーツ
イ・ギョンジン

etc.

描かれる
年代と舞台
1950年~
朝鮮戦争
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)
★★
『ブレイブ・ロード 名もなき英雄』210
『ブレイブ・ロード』480
『ブレイブ・ロード 映画』70
『ブレイブ・ロード 名もなき英雄映画』ー

『ブレイブ・ロード 名もなき英雄』。
これは、朝鮮戦争映画のなかでも異色中の異色です。
なにしろ、トルコ共和国産の朝鮮戦争映画ですから。

朝鮮戦争が、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が争った戦争であることは知っていました。
この戦争が、アメリカ合衆国とソビエト社会主義共和国連邦の代理戦争であることも、もちろん知っていました。

しかし、朝鮮戦争にトルコ共和国が参戦していたことは全く知りませんでした。
トルコ共和国がついていたのは東側陣営、つまり、大韓民国やアメリカ合衆国の側です。

『ブレイブ・ロード 名もなき英雄』の主人公である若き軍曹スレイマン(イスマエル・ハシオグル)は、凄惨な戦場で、戦災孤児となった幼い少女(キム・ソル)と出会います。
スレイマンは、その少女をアイラと名付けて、陸軍基地へ連れていきます。

やがて、スレイマンとアイラの間に、親と子供のような愛情が育まれていきますが、激しくなる戦争は二人を引き離してしまうのです。

アイラを保護しようとするスレイマンの行動は、凄惨な戦争下における唯一の希望であるように思えました。
過酷な状況でもスレイマンのように人間性を失わない人物がいること。
そして、そのような行動をすることがどれだけ難しいことなのか。

また、スレイマンだけでなく、かれの仲間のトルコ軍人たちもアイラを可愛がってくれていることも微笑ましかったです。
アイラは、極限状況にいるトルコ軍の兵士たちの心を癒していたようにも思えます。

映画を観終わったあとに、『ブレイブ・ロード 名もなき英雄』が実話を元にした映画だったと知り、ぼくは、この世界に、スレイマンのような人間がいることを嬉しく感じました。

でも、嬉しく感じているだけじゃダメなんですよね。
それは、ぼく以外のスレイマンに、困難なことを押し付ける他力本願の思考ですから。

ぼく自身は、スレイマンのような決断をすることは難しいかもしれないけれど、それでも、映画を見る前よりは少しでもマシな人間になっていたい、と思いました。

そして、『ブレイブ・ロード 名もなき英雄』の魅力は、やっぱり、アイラです。
キム・ソルちゃんの可愛さは、他のキャラクターの存在を霞ませてしまいますね(笑)

『ブレイブ・ロード 名もなき英雄』は、『戦場のメロディ』と同様、子役の光る朝鮮戦争映画の秀作です。
ハリウッドの超大作ばかりではなく、トルコ産の一味違った戦争映画もたまにはいかがでしょうか。
我々に、トルコ映画界の実力を見せつける非常に素晴らしい作品だと思います。

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【補足】
『ブレイブ・ロード 名もなき英雄』は、なぜか、マリリン・モンロー(のそっくりさん)のライブも見れます。

トルコ軍の駐屯地でマリリン・モンローが慰問ライブをしたのは史実なのでしょうか。
史実に基づく映画、ということで、そのあたりも気になりました(笑)

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⑭西部戦線1953

映画タイトル 西部戦線1953
原題 The Long Way Home
制作国 韓国
公開年 2015年
監督 チョン・ソンイル
脚本 チョン・ソンイル
主なキャスト
ソル・ギョング
ヨ・ジング
イ・ギョンヨン

etc.

描かれる
年代と舞台
1953年~
朝鮮戦争休戦目前
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)

『西部戦線1953』390
『西部戦線1953映画』ー

『西部戦線1953』は、韓国の名優ソル・ギョングと注目の注目の若手俳優ヨ・ジング共演の朝鮮戦争映画です。
そして、西部戦線というタイトルからは予想もつかないでしょうが、この映画はコメディ映画です。

『M★A★S★H マッシュ』と同じ、戦争コメディ映画。
ですが、こちらは、アクションシーン多めです。

『西部戦線1953』の物語は、1953年、朝鮮戦争終戦目前から始まります。
前線基地へ第一級の軍事機密文書を届ける任務を任された韓国軍の伝令兵チョン・ナムボク(ソル・ギョング)は、戦火の中でその文書をカバンごと紛失してしまいます。

その一方、所属していた戦車部隊が壊滅し、ただ一人、奇跡的に生き残った北朝鮮軍の新兵ヨングァン(ヨ・ジング)は、機密文書の入ったカバンを偶然拾うことになります。

機密文書を探すナムボクと、それを持つヨングァンの二人は、このような経緯で、孤立無援の西部戦線で出会うことになります。

この『西部戦線1953』で注目すべきところは、やっぱりコメディ部分です(笑)

ナムボクとヨングァンのやり取りは、滑稽なほどに間が抜けていて面白いんですよ…!
実際に戦場に出た人は、誰しもが、遠くから見れば、このようなミスややり取りをしてしまうのかもしれませんね。

また、『西部戦線1953』からは、韓国側から北朝鮮側への深い同胞愛を感じました。
朝鮮戦争で、あれだけの激しい殺し合いをしていたのにも関わらず、韓国産のこの映画は、北朝鮮の兵士を、善良な人格を持つ一人の人間として描いています。

敵国を徹底的に悪く描き、単純な善悪二元論にまとめてしまう映画もあるなかで、敵国の人間を暖かい眼差しで見つめ、愛されるべき人間として描いているところが凄く良いな、と思いました。

そして、他の映画同様に、『西部戦線1953』でもソル・ギョングはイイ表情を見せてくれます(笑)
本当、ソル・ギョングは顔芸だけでご飯3杯いけますねえ!(意味不明)

やっぱり、ソル・ギョングの出演している映画に外れはないです…!
個人的には、ソル・ギョングは、韓国のケヴィン・ベーコン的存在だと思っています(笑)

繰り返しますが、『西部戦線1953』は戦争コメディ映画です。
タイトルからすると、シリアスな戦争映画を想像しますが、コメディ要素がたっぷりなので、必要以上に身構えずに鑑賞することができるでしょう。

やっぱり、『敵国軍人なのに仲良くなっちゃう系映画』には外れがありませんね!

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【補足】
余談ですが、『西部戦線1953』は戦車映画でもあります。
朝鮮人民軍が使用していたソ連製の戦車『T-34-85』を、実物と同じような操縦可能なフォルムで復元しています。

でも、戦争映画の花形、戦車が活躍するというのに、やっぱり、どこか滑稽で間が抜けていて。。。(笑)
そんなところが、『西部戦線1953』を、より愛おしい映画にしているのかな、と感じました。
チョン・ソンイル監督のセンス、大好きです!!

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⑮戦場のレクイエム

映画タイトル 戦場のレクイエム
原題 集結號
制作国 中華人民共和国
公開年 2007年
監督 フォン・シャオガン(馮小剛)
原作 ヤン・ジュジュアンの短編小説
『Guan Si(訴訟)』
(なんと、たった3ページ)
脚本 リウ・ホン(劉恒)
主なキャスト
(吹き替え)
チャン・ハンユー【張 涵予】(咲野俊介)
ダン・チャオ【鄧超】(坂詰貴之)
ユエン・ウエンカン【袁文康 】(鈴木正和)
タン・ヤン【湯嬿】(上田真紗子)
リャオ・ファン【廖凡】(丸山壮史)
ワン・バオチャン【王宝強】(奥田啓人)
フー・ジュン【胡軍】(相沢まさき)

etc.

描かれる
年代と舞台
1948年~
国共内戦(淮海戦役)
朝鮮戦争
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)

『戦場のレクイエム』210
『戦場のレクイエム映画』20

実は、中国も、朝鮮戦争に参加していたって知っていましたか?

というわけで、『戦場のレクイエム』は、中国発の朝鮮戦争映画です。

『戦場のレクイエム』は、中国で大ヒットし、中国のアカデミー賞と言わている金鶏百花映画祭で、最優秀作品賞や監督賞など、主要な4部門を受賞
しました。
これにより、それまでコメディ映画の監督だと思われていたフォン・シャオガン(馮小剛)監督が新境地を切り開いた映画としても評価されています。

ただし、『戦場のレクイエム』は、朝鮮戦争だけが主軸ではないので、朝鮮戦争パートは短め目。
朝鮮戦争映画の上位に押すことはできないけれど、中国の側から描いた朝鮮戦争映画は珍しい
しかも、面白いことには違いないので、この機会に紹介しておきたいと思った次第です。

『戦場のレクイエム』の主軸となるのは、国共内戦の3大戦役とされる淮海戦役。
この淮海戦役を背景に、朝鮮戦争のエピソードを交えながら物語が進みます。

『戦場のレクイエム』を、朝鮮戦争映画として語るなら、やはり、東側陣営の視点で描かれているところではないでしょうか。
多くの朝鮮戦争映画は、韓国側の視点(西側陣営)の視点で描かれることが多いので、北朝鮮(東側陣営)側の視点を見ることができるのは珍しいと思います。
中国はアメリカとは敵国同士になるので、韓国軍の振りをして急場をしのぐといった場面も(笑)

このようなエピソードが、本当に朝鮮戦争中にあったのかどうかは分かりませんが、中国人と韓国人を見分けることは、アメリカ人には難しいだろうなぁ……。
多分、ぼくもできません(爆)
国籍はアジア、日本ですけれど(笑)

せっかくなので、『戦場のレクイエム』の朝鮮戦争以外の見どころも紹介しておきます。

『戦場のレクイエム』の物語は、贖罪がテーマです。
主人公であるグー・ズーティ(チャン・ハンユー【張 涵予】)は、国共内戦の激戦で部下を失くし、かれらの名誉回復のために残された人生を捧げます。

当り前の話ですが、どちらの側に立って戦ったとしても、やっぱり、戦争というものは辛いものです。
部下のことを想い、贖罪のために人生を捧げるグー・ズーティの姿は観ていて切ないです。

グーを演じるチャン・ハンユー(張 涵予)は、『戦場のレクイエム』公開当時は無名のようなものでした。
今でこそイイ顔をしている中国の映画俳優の代表格の一人ですが、無名だったかれを、一躍スターへ押し上げたのがこの映画なんです。
『戦場のレクイエム』。
2008年の金鶏百花奨・金馬奨の主演男優賞を取ったチャン・ハンユー(張 涵予)の演技に注目してみて頂ければと思います。

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【補足】
『戦場のレクイエム』は戦闘シーンもおすすめ。
プライベート・ライアンに通じる過剰なまでの戦闘描写と残酷描写。
朝鮮戦争映画の名作『ブラザーフッド』の特撮担当チームやハリウッドの視覚効果スタッフを招聘してつくりあげただけあり、見応えがあります。

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⑯DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線

映画タイトル DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線
原題 DMZ,非武装地帯
制作国 韓国
公開年 2004年
監督 イ・ギュヒョン
原作 イ・ギュヒョン
脚本 イ・ギュヒョン
主なキャスト
(吹き替え)
キム・ジョンフン
パク・ゴンヒョン
チョン・ウンピョ
チョン・チェギョン
イ・ジェウン

etc.

描かれる
年代と舞台
1979年
南北軍事衝突
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)

『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』ー
『DMZ』14000
『非武装地帯 DMZ』90
『DMZ 非武装地帯』60

『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』も、『シルミド / SILMIDO』、『JSA』と同じく、朝鮮戦争の延長戦映画とも言うべき作品です。

時系列順に並べると、

『シルミド / SILMIDO』(1968年~1971年)
『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』(1979年)
『JSA』1999年

となります。

『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』のタイトルに入っている『DMZ』というのは、朝鮮半島における軍事境界線(Korean Demilitarized Zone〈略称:DMZ〉)のことです。
このDMZがあることで、韓国と北朝鮮は実効支配地域を分割しています。

そんな『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』は、DMZの警備をしていた韓国陸軍特殊部隊員の体験を綴ったベストセラーを原作としています。
というか、原作者であるイ・ギュヒョンが、監督・脚本も自ら務めています。

主役の兵士キムを演じるのは、韓国の超人気グループデュオ、UNのキム・ジョンフン。

キムの上官役であるイ・ミンギを演じるのは、韓国ミュージカルのトップスター、パク・ゴンヒョンです。

ミュージカルのトップスターというと、なんだか華やかな映画のように聞こえてきますが、『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』は極めてシリアスな映画です。

『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』で学べることは、まず、韓国軍の訓練とシゴきは、本当に苛烈でキツイということです。
シゴきどころか、理不尽なイジメさえあります。

韓国徴兵、オレの912日 (講談社+α文庫) テガリパゴ

韓国式土下座テガリパゴ
ぼくは5分もつ自信ないです…
(出典:『韓国徴兵、オレの912日 (講談社+α文庫)』より)

きっと、『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』の原作者であるイ・ギュヒョンもトラウマなのではないでしょうか。。。

また、『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』は、南北対立のヒリヒリするような緊張感を味わうことができます。

軍事境界線をめぐる南北対立の胃の痛くなるような緊張感は、JSAも後半で味わうことができますが、ぼくはこの『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』が一番観ていてハラハラしました。
前半の青春っぽい雰囲気からの落差からの緊張が、ホント堪えるんですよね。

改めて、韓流ブームはホント楽しいです。
料理は美味しいし、ハンサムな青年、美女は華やかで、キラキラと輝いて見えます。
そのような韓国で、一昔前に隣国である北朝鮮とこのような争いがあり、その対立は今も続いているのだ、なんて、信じられなくなります。
でも、韓国は徴兵制度があり、こうしている間も、韓国の青年たちが警備についているのです。

そう考えると、日本は本当に恵まれているな、と感じます。

『DMZ非武装地帯 追憶の三十八度線』は、イ・ギュヒョン監督の実際の体験談というだけあって、とても良くできた映画だと思います。
日本ではそれほどメジャーな映画ではないかもしれないけれど、一見の価値アリです…!!

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⑰長沙里9.15

映画タイトル 長沙里9.15
原題 장사리: 잊혀진 영웅들
制作国 韓国
公開年 2019年
監督 クァク・キョンテク
キム・テフン
脚本 イ・マニ
主なキャスト
(吹き替え)
キム・ミョンミン
チェ・ミンホ(ミンホ)
ミーガン・フォックス
キム・イングォン
クァク・シヤン
ジョージ・イーズ
チャン・ジゴン
イ・ホジョン
イ・ジェウク

etc.

描かれる
年代と舞台
1950年、夏
マッカーサー立案の仁川上陸作戦(クロマイト作戦)を成功させるために行われた陽動作戦
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)

『長沙里9.15』10

『長沙里9.15』で描かれるのは、仁川上陸作戦(クロマイト作戦)を成功させるために行われた陽動作戦です。
仁川上陸作戦といえば、先に紹介した『オペレーション・クロマイト』でも出てくる作戦でしたね。
『オペレーション・クロマイト』の場合、仁川上陸作戦を成功させるためのスパイ活動がメインとして描かれていました。

『長沙里9.15』の場合、仁川上陸作戦を成功させるための陽動作戦なので、よりミリタリーアクション要素が濃いです。
しかし、その陽動作戦に参加するのは、平均年齢17歳、訓練期間2週間ほどの未熟な兵士たち。

イ・ミョンジュン大尉(キム・ミョンミン)は、そんな年端もいかない少年たちを率いて、敵軍が待ち構える長沙里へ向かうことになります。

うわあ……この映画、大丈夫か。
自分より若いコが死ぬのを見るのは、すごい嫌だな…。
でも、見どころはたくさんあるです。

慶尚北道盈徳郡南亭面の長沙里に上陸するところからもう目が離せません。
なぜなら、
「こっ、これは韓国版ノルマンディー上陸作戦やないか!」
と思わず突っ込みたくなるほどに壮絶な激戦がのっけから繰り広げられるからです。

『長沙里9.15』の脚本はイ・マニ。
イ・マニは、先に紹介した『オペレーション・クロマイト』と、やはり、18歳にも満たない少年たちが朝鮮戦争に巻き込まれることになる『戦火の中へ』の脚本を担当した人でもあります。

つまり、『長沙里9.15』は、『オペレーション・クロマイト』と『戦火の中へ』を進化させた最新のストーリーとも言えます。

『オペレーション・クロマイト』で取り扱った仁川上陸作戦を、『戦火の中へ』よりも更に規模を大きく派手にした戦争アクションでまとめた上げたわけです。
しかも『長沙里9.15』を撮ったのは、名作映画『友へ チング』を大ヒットさせたあのクァク・キョンテク監督。

なんというか、イ・マニという人が選ぶテーマは、日本人の視聴向きですね。
『長沙里9.15』も『戦火の中へ』も、第二次世界大戦における神風特攻隊や戊辰戦争(会津戦争)の白虎隊に近いものがあります。

『長沙里9.15』は、若い少年たちが儚く散っていくので、悲しい映画ではあります。
しかし、そんな酷いできことを正面から描くからこそ、反戦へのメッセージも余計に強まるのではないでしょうか。

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【補足】
『長沙里9.15』では、ハリウッド女優のミーガン・フォックスが出演しています。
ミーガン・フォックスは、トランスフォーマーやミュータント・タートルズなど、エンターテイメント路線での役を演じることが多かったのですが、今回はマギーという女性従軍記者をシリアスに演じています。

そんなマギーのモデルは、女性でありながらも従軍記者として働き、ピューリッツァー賞を受賞したマーガレット・ヒキンズと、報道写真やドキュメンタリーなどの写真を撮影し活躍した女性写真家マーガレット・バーク=ホワイトがモデルです。

1950年代に、女性でこのような活躍をしていた人は、本当に大変だっただろうな、と思います。
如何にして、彼女のような人たちが周囲の圧力に押しつぶされずに活躍していたのか、改めて別の映画で観てみたいと思いました。

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⑱太白山脈

映画タイトル 太白山脈
原題 태백산맥
制作国 韓国
公開年 1994年
監督 イム・グォンテク
原作 趙廷来(チョ・ジョンネ)の大河小説
『太白山脈』
脚本 ソン・ヌンハン
主なキャスト
(吹き替え)
アン・ソンギ
キム・ミョンゴン
キム・ガプス
シン・ヒョンジュン
オ・ジョンへ
チョン・ギョンスン

etc.

描かれる
年代と舞台
1948年~1950年
朝鮮戦争
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)

『太白山脈』140
『太白山脈映画』20

この映画のタイトルである『太白山脈』は実際に朝鮮半島にある山脈のことです。
読み方は、テベクさんみゃく、あるいは、たいはくさんみゃくと読みます。

『太白山脈』は、第二次世界大戦後、日本の植民地支配から朝鮮半島が解放されてからの物語。
朝鮮戦争を描いたスケールの大きな大河ドラマの名作です。

日本の占領から解放されたあとも、朝鮮半島はちっとも平和になっていません。
むしろ、左翼と右翼が対立し、南北は2つに分かれ、悪化しています。
南北分断は、家族や恋人の絆を引き裂き、多くの人々の人生を巻き込んでいきます。

大河ドラマといえば『国際市場で逢いましょう』も壮大でした。
『国際市場で逢いましょう』は、朝鮮戦争からベトナム戦争、そして、現在までを描いているので、スケールとしてはあちらの方が大きいです。

ただし『太白山脈』はテーマを絞り1948年から1950年に集中しているので、朝鮮戦争のことがより濃密に語られています。(しかも映画の長さは2時間半以上…!)

この映画は、趙廷来(チョ・ジョンネ)の『太白山脈』という同名の大河小説が原作です。
小説『太白山脈』は、趙廷来(チョ・ジョンネ)の作品であり、全10巻からなる大長編。
これだけ長大な作品だと、2時間半あっても、1本の映画でまるまる納めることは不可能ですよね。
そのため、映画『太白山脈』は、原作の3分の2ほどの物語となっています。
(風の谷のナウシカもそうですよね。あっちは映画1本で3分の1も終わってませんが(笑))

というわけで、映画版『太白山脈』は、国連軍が仁川上陸作戦を決行し、朝鮮人民軍が筏橋から撤退していくところで終わります。

『太白山脈』は、まさに波乱万丈の映画です……。

この時代の朝鮮半島を生きた人々は、なんて壮絶な人生を歩んだのでしょうか。
普通の人々が、食べていくために思想転向を強制され、支配者たちの気まぐれに人生を振り回されます。

挙句のはてに命まで奪われるなんて、本当にたまったものではないですよね。

誰でも多かれ少なかれ、家や会社で、考え方の違う他人に意見やモラルを強要されることはあるはずです。
そんなときに、キム・ボムのように自分自身の考えを貫く、というのは、幸福のためにとても大切なことである、と感じました。

『太白山脈』は、上級者向けの朝鮮戦争映画だと思います。
何も知らずに見ても面白いですが、朝鮮戦争についての知識をある程度頭に入れておいた方が楽しめるでしょう。

たとえば『ブラザーフッド』などの朝鮮戦争映画を見ておくことをおすすめします。
そうすると、韓国現代史がある程度頭に入った状態になるので、『太白山脈』の鑑賞が、より濃密で楽しい映画体験になるでしょう。

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【補足】
『太白山脈』は、予告編も、とっても格好いいです(笑)

主人公のキム・ボムの横を、郡党委員長ヨム・サンジン(キム・ミョンゴン)や検察部長ヨム・サング(キム・ガプス)を通り過ぎていくところから始まります。
また、キム・ボム自身も、巫女ソファ(オ・ジョンへ)や全羅南道党・連絡係チョン・ハソプ(シン・ヒョンジュン)を始めとする、かれが出会うことになるたくさんの人々とすれ違い、その横を通り過ぎていくのです。
すれ違う人々は皆、厳しい顔つきをしており、キムを見る目はジロリと睨んでいるようにも見えます。

南北対立が深まり、共産主義と反共主義というイデオロギーが対峙する場所では、思想的に中立でいることは本当に難しい。

『太白山脈』の予告編は、否応なく、争いに関わることを迫られるキム・ボムの苦悩、中立でいることの困難が本当によく表れている予告編なのです。

『太白山脈』の本編が良いのはもちろんのこと、レンタルするようであれば、ぜひ、予告編にも目を通して欲しいと思います。

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⑲小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件

映画タイトル 小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件
原題 A Little Pond
制作国 韓国
公開年 2011年
監督 イ・サンウ
脚本 イ・サンウ
主なキャスト
(吹き替え)
カン・キョンヒ
カン・シンイル
キム・カヨン
キム・ドクウン
ムン・ソリ
ソン・ガンホ

etc.

描かれる
年代と舞台
1950年7月
朝鮮戦争における
老斤里事件(ノグンニ事件)
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)

『小さな池』170
『小さな池 映画』10

『小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件』は、胸のあたりが心底気持ち悪くなってくるような映画です。
もっと強い言葉を使うなら、胸糞悪い、と表現しても差し支えないかもしれません。

やめろ…!
頼むから、やめてくれ…!!
ああ、神様…!!
こんなことが許されていいんですかっ!?

それくらいに『小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件』の鑑賞は、心が打ちのめされました。

この映画では、のどかな村の罪のない人々が次々と殺されていきます。
それも、子供も大人も、男も女も老人も差別なく、平等に殺されていくのです。

降り注ぐ爆弾と銃弾が、ついさっきまでにこやかに談笑していた人々を引き裂いていく。
そんな光景を目の当たりにしたときは、思わず自分の目を疑いました。

『小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件』は無惨で残酷で無情な映画です。
村人がただ、なす術もなく虫けらのように虐殺される姿だけが描かれています。

1時間半にも満たない映画ですが、後半の約30分は、もう、目を覆いたくなるような殺戮につぐ殺戮で、途中で映像を消したくなる衝動を抑えることに必死でした。

でも、このような無惨な虐殺が、朝鮮戦争では現実に行われていたのです。

『小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件』は、老斤里事件(ノグンニじけん)という実際の事件を再現しています。
老斤里事件は、1950年7月、味方であるはずのアメリカ軍が、韓国の民間人300人近くを一方的に皆殺しにした事件です。

1950年7月、忠清北道永同(ヨンドン)郡黄澗(ファンガン)面・老斤里で平和に暮らしていた村人たちは、アメリカ軍の将校に強制疎開を命じられます。
米韓軍は、この一帯に阻止線を設けて、北朝鮮軍の進撃を食い止めるつもりでした。
しかし、その一方で、老斤里の避難民に北朝鮮軍の兵士が紛れ込んでいるため、避難民の通過を阻止せよ、という命令も司令部から下されます。

アメリカ陸軍・空軍は、この矛盾した命令を受け、その混乱のなかで何をしたのか。
なんと、かれらは、南下途中の村人たちを4日間も爆撃、銃撃し続けたのです。

『小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件』は、軍隊という人を簡単に殺せる力を持った組織が考えることをやめて、正しい判断を選ぶことを放棄すると何が起こるかがよく分かります。
そして、どのような種類の戦争にも正義なんてないことも本当によく分かります。

アメリカ軍は、老斤里事件で何も学びませんでした。
そのことは、後にアメリカ軍が、老斤里事件よりも更に大きな虐殺をベトナム戦争で引き起こしたことからも良く分かります。(ソンミ村虐殺事件)

そして、とても残念なことに、老斤里事件では被害者だった韓国も、ベトナム戦争では今度は加害者側に回ることになります。(タイヴィン虐殺など)

『小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件』は、戦争の悲惨さ、残酷さ、無情さを描いた朝鮮戦争映画の傑作であると同時に、虐殺映画の傑作でもあります。
見るのにパワーを使う映画ではありますが、戦争を知らない世代が、戦争の悲惨さを知るためには、これくらいの衝撃度のある作品も必要ではないかと思いました。

なかなか諸手を振っておすすめすることはできませんが、あえて、ぼくはおすすめしたいと思います。
『小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件』は、胸に深々と突き刺さるナイフのような傑作です。

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【補足】
『小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件』もそうですが、戦争映画をつくる人は、戦争を嫌悪していると同時に、どこか暴力や死に惹かれている部分があるのではないかと思います。
そして、それは、そのような映画を自ら選んで見るぼくたちも同じなのではないでしょうか。

他にも虐殺を描いた優れた映画はたくさんあります。
たとえば、『ホテル・ルワンダ』や『シンドラーのリスト』、『ライフ・イズ・ビューティフル』、『沖縄総決戦』などは映画史に残るだろう傑作です。

厳密には虐殺ではないかもしれませんが、『伝説巨神イデオン 劇場版(接触篇、発動篇)』や『劇場版エヴァンゲリオン Air/まごころを君に』なども、たくさんの人が死ぬ映画特有のカタルシスがあります。
心に深く突き刺さる、場合によっては、観ると心が傷つく映画ではありますが、どれもおすすめの映画です。

あ、そうだ。
この映画、なぜか、ソン・ガンホが出ているんですよ。
そんなトリビアで『小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件』の映画紹介を締めたいと思います。
ソン・ガンホは、いつも場を和ませてくれる、ホントに暖かみのある俳優さんですよね。。。(涙)

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⑳史上最大の戦場 洛東江大決戦

映画タイトル 史上最大の戦場 洛東江大決戦
旧題:新ホワイト・バッジ 地獄への戦場
原題(英題) DOES THE NAK-DONG RIVER FLOW?/THE BATTLE FIELD
制作国 韓国
公開年 1976年
監督 イム・グォンテク
原作 ハン・ソン
脚本 ハン・ソン
ナ・ハンボン
主なキャスト
(吹き替え)
チン・ユヨン
ユ・ヨングラ
キム・フィラ
パク・アム

etc.

描かれる
年代と舞台
1950年6月25日~
朝鮮戦争
朝鮮人民軍の38度線の突破から
人気・注目度
GKV
(2020年9月時点)

『史上最大の戦場 洛東江大決戦』ー
『史上最大の戦場 洛東江大決戦映画』ー

最後を締めくくる朝鮮戦争映画は、イム・グォンテク監督の1976年の映画『史上最大の戦場 洛東江(ナクトンガン)大決戦』です。
イム・グォンテク監督といえば、同じく傑作朝鮮戦争映画『太白山脈』を撮った巨匠監督。

そんなイム・グォンテク監督は、『太白山脈』と『史上最大の戦場 洛東江大決戦』の前に、『ソウル奪還大作戦 大反撃』という朝鮮戦争映画も撮っています。

『ソウル奪還大作戦 大反撃』は、リアルな戦闘アクションや特撮による大破壊シーンなど見どころは多いのですが、軍備増強を訴えるための国策映画でもありました。
そんな前作から更に進化し、『史上最大の戦場 洛東江大決戦』は、イム・グォンテク監督の作家性が濃く出た反戦映画となっています。

『史上最大の戦場 洛東江大決戦』は、洛東江決戦を描いているだけでなく、一人の少年の成長物語としても秀逸です。

『史上最大の戦場 洛東江大決戦』の物語は、北朝鮮の朝鮮人民軍の38度線を突破し、韓国側に攻め込んでくるところから始まります。

丁度、その頃、主人公であるチョン・テシク少年(チン・ユヨン)は、恋人のキョンスクと川で水遊びをしていました。
とても幸せそうな二人。
しかし、ソウルへの爆撃が開始されると、テシクは混乱のなかで恋人と離れ離れになってしまうのです。

北朝鮮の猛攻が続き、数カ月後、韓国軍は最終防衛線である洛東江まで追い詰められます。
朝鮮人民軍が洛東江を超えれば、もはや、韓国側に勝ち目はありません。

テシクは戦争を早く終わらて恋人に会うため、年齢を偽り、チャ大尉(ユ・ヨングラ)の特攻部隊と共に行動すことになるのです。

『史上最大の戦場 洛東江大決戦』の見どころは、もちろん、『ソウル奪還大作戦 大反撃』と同様に、大迫力の戦闘シーン。南北入り乱れて、ボカスカ撃ちまくります。

しかし、この映画の魅力は、それだけに留まる薄っぺらいものではありません。
新兵であるテシクとベテランの古参兵とのやり取りや、女スパイ、ロシアから帰還した鬼戦車長、随所でタイミングよく、超絶格好イイ軍歌らしき歌が挿入されるなど、面白要素たっぷりなのです。

でも、やっぱり、本当に見どころなのは、テシクの成長する姿だと思います。

俺は、恋人が待っているソウルに一刻も早く戻りたい!
だから、俺は、この戦争を終わらせてやるのだ…!

そんなテシクの決意は、少年特有の無垢さ、純粋さに溢れています。

そして、時折、激しい戦闘の合間に、テシクと恋人キョンスクとの幸福な時間が映し出される演出に、心を強く揺さぶられました。

テシクとキョンスクの思い出が幸せなものであればあるほどに、血に塗れた戦争の凄惨さが際立ちます。
そして、この気の良い少年、テシクには何としても生き残ってほしい、と願わずにはいられなくなくなるのです。

テシクとキョンスクの幸せな日常と過酷な戦争のギャップこそが、イム・グォンテク監督の作家性が色濃く出ている部分かと思います。

物語の終盤、とうとうテシクは戦場から逃れるチャンスに恵まれます。
「やった! これでようやく帰れる…!」
テシクは喜びます。
しかし、かれは、自分を笑顔で送り出した兵士たちが次々と死んでいく姿を見てしまいます。

かれら古参兵たちは、勇敢に、しかし、凄惨に散っていきました。

そして、そのとき、テシクは思い直すのです。
「やはり、俺ひとり帰るわけにはいかない…! あいつらをここで食い止めなければならないんだ…!!」
そのことを決意したとき、テシクの少年だった日々は終わってしまったのでした。

『史上最大の戦場 洛東江大決戦』は1976年の映画であり、40年以上前の映画だからこそ月間平均検索ボリュームは少ないです。

でも、断言します。
『史上最大の戦場 洛東江大決戦』は、朝鮮戦争映画の傑作です!!

この映画は、朝鮮戦争を通して、少年が大人へ変わる瞬間が見事に切り取られています。

『史上最大の戦場 洛東江大決戦』で戦争映画の娯楽性を持ちながら、自らの作家性も両立させたイム・グォンテク監督。
かれは、この17年後に『太白山脈』という超重厚な傑作映画を世間に発表し、新境地を切り開くことになります。

『史上最大の戦場 洛東江大決戦』と『太白山脈』は、まったくテイストが異なる映画です。
イム・グォンテク監督の変遷をじっくりと味わってみるのも、とても濃い映画体験になるでしょう。

どちらの映画も、イム・グォンテク監督の実力に驚嘆させられる一作です。

でも、個人的には『史上最大の戦場 洛東江大決戦』を最初に見てみて頂きたいですね。
本当に素晴らしい映画なんです…!!

『史上最大の戦場 洛東江大決戦』を見るならコチラから↓

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【補足1】
『史上最大の戦場 洛東江大決戦』が気に入った人は、『追想(1975年)』という第二次世界大戦映画もおすすめです。
こちらも、幸せな日常と凄惨な現実とのギャップが非常に良く表現されています。

『追想(1975年)』は、あのクエンティン・タランティーノ監督もお気に入りであり、自身の『イングロリアス・バスターズ』にも大きな影響を与えています。
どちらの映画も『 TSUTAYA DISCAS/TSUTAYA TV』で視聴可能なので、ぜひ。

【補足2】
『史上最大の戦場 洛東江大決戦』は、吹替も素晴らしいです…!
テシク少年の素朴さ、無垢さが良く表現できているので、字幕で視聴した人は吹替も聞いてみて欲しいと思います。
かれの声を聞いていると、なんだか和みます。

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朝鮮戦争映画おすすめ20選のまとめ

さて。
『朝鮮戦争映画おすすめ20選』は、いかがでしたか?

長大な映画紹介に付き合ってくださり、心より感謝いたします!!
韓国、アメリカ、中国、トルコ共和国と、さまざまな朝鮮戦争映画を紹介しましたが、皆さんの琴線に触れるような映画はあったでしょうか。

実のところ、ここで紹介した朝鮮戦争映画は、本当にごく一部なんです。
もっと紹介したい朝鮮戦争映画はたくさんあるので、また余裕があるときに更新していきたいと思います。

それでは最後に、もう一度、『朝鮮戦争映画おすすめ20選』をまとめておきますね。
気になる作品があったら、ぜひ、視聴してみて頂ければ嬉しいです!

もし、ここで紹介した朝鮮戦争映画を見た! という方がいましたら、感想なども教えて頂けると嬉しいです。
一緒に語り合いましょう(^^)

それでは、また、別の記事でお会いできることを楽しみにしています!!

最後は、『朝鮮戦争映画おすすめ20選』を書く上で参考にした資料一覧の紹介となります。

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朝鮮戦争映画おすすめ名作20選!の参考文献

朝鮮戦争映画おすすめ選出のための参考文献

この記事、朝鮮戦争映画20選の記事を作成する上で、以下の文献を参考にしています。
参考文献として多く用いたものほど先に紹介しています。
興味を持った人がいましたら、併せて読んでみてもらえたら嬉しいです。

参考文献名 著者情報 出版社 発行日
映画秘宝EX 映画の必修科目13 猛爆! 戦争映画100 (洋泉社MOOK) 青井邦夫
アサダアツシ
石熊勝巳
大内稔
大久保義信
岡本敦史
長谷川町蔵
松江哲明

etc.

洋泉社 2015/8/7
映画秘宝EX 映画の必修科目02 激辛韓流映画100 (洋泉社MOOK) アサダアツシ
岡本敦史
尾崎一男
ギンティ小林
多田遠志
長野辰次

etc.

洋泉社 2011/12/14
ザ・コールデスト・ウインター
朝鮮戦争 上下 (文春文庫)
D・ハルバースタム 文藝春秋 2012/8/10
映画秘宝COLLECTION決定版20世紀戦争映画クロニクル (映画秘宝COLLECTION 50) 大久保義信 洋泉社 2015/6/6
映画秘宝EX映画の必修科目12-激アツ!男の友情映画100(洋泉社MOOK) 青井邦夫
アサダアツシ
江戸木純
岡本敦史
キシオカタカシ

etc.

洋泉社 2015/4/8
映画になった戦慄の実話 vol.3 (戦慄の実話シリーズ) 鉄人ノンフィクション編集部 (著) 鉄人社 2014/9/24
映画秘宝2017年11月号 青井邦夫

etc.

洋泉社 2017/10/21
韓国徴兵、オレの912日 (講談社+α文庫) チュ・チュンヨン 講談社 2006/5/20

どの資料も、映画と同等、それ以上に面白かったりします。
すべて、ぼくの血肉となってくれた大切な資料です…!!

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