今回は、いま、Netflixのドラマのランキングで1位になっている地面師たちを紹介します。
詳しくは、実際にNetflixで見てみてください、その方が早いです!
と言いたいところですが、それだけじゃ味気ないし、ぼくもちょっとだけ喋りたいのでぜひ少しだけお付き合いください。
Netflixドラマ地面師たちの魅力を、90年代のすべてをオタク趣味にささげた真条秋成(しんじょうあきなり)が解説します。
積水ハウスが詐欺にあった実際の事件との違いも解説していくので、興味がある人はぜひ読んでみてください。
魅力1、まずはキャストがめっちゃ豪華で魅力的!
地面師たちのキャストは超豪華です。
綾野剛さんと豊川悦司さんだけでなく、ピエール瀧さん、北村一輝(きたむら かずき)さん、リリー・フランキーさん、小池栄子さんと、悪い人を演じるのがうまい人たちが大集合しています。
綾野剛さんはいつも通り魅力的ですし、淡々と演技している中でも強く引き付けられる何かがあります。
それにホストクラブに潜入して、挙動不審の青年を演じてみたり、演じる役柄にも幅があって素晴らしい。
豊川悦司さんはただひたすらに怖い。
こんなに怖い豊川悦司さんを見たのは初めてですよ。
ピエール瀧さんも魅力的だし、北村一輝(きたむらかずき)さんもドラマをここぞという時に盛り上げてくれます。
リリー・フランキーさんは映画『凶悪』では恐ろしい殺人者の役でしたが、今回は地面師グループを追う立場で年配の刑事の役を好演しています。
池田エライザさんは原作には出てこないリリー・フランキーさんの相棒役ですが、とてもよかったです。可愛いだけでなく格闘シーンもちょっとあります。
池田エライザさん、JOJO magazine 2023 WINTER (集英社ムック)でインタビュー記事を読んでから、ジョジョ好きということでシンパシーを感じていたのですが、ますます好きになりました。
ああ、忘れてはいけないのが、やっぱり地面師グループにはめられる被害者となる山本耕史さん。
山本耕史さんもギラギラ感が素晴らしくて、まさにはまり役なんです。
山本さんのギラギラ具合、イケイケ具合と、地面師グループにはめられた時の表情の落差なんか、あまりにも可哀そうすぎて、ぼくは結構なトラウマになりました。
血が出るような直接的な描写はないんですけれど、もういたたまれなくて、山本さんが可哀そうで可哀そうで、山本さんの表情やリアクションが頭にこびりついて、その日は眠れなくなりましたね。
自分が、山本耕史さんの立場だったらって思うと、もう吐き気が止まらなくなりました。
地面師たちってホラー映画や恐怖ドラマではないんでしょうけれど、山本さんが地面師詐欺にあったと気づくシーンは、ぼくは2024年に見たドラマや映画のベストトラウマシーンになってしまいました。
ホント、いま、思い出しただけでも軽く吐きそうになります(笑)
地面師たちの監督は大根仁(おおねひとし)さんなのですが、大根監督はモテキとかバクマンとか、楽しい映画の監督っていうイメージだったのですが、こんなおっかなくてスリリングなドラマを撮れた方なんですね。ビックリしました。
地面師たちは、大根監督の代表作の一つに必ずなると思います。
というか、ぼく自身は、大根監督の作品をすべて見たわけじゃないんですが、今まで見た中では最高傑作だと思っています。
あ、話が少しそれたのでキャストの話に戻ります。
最後に小池栄子さん。
小池栄子さんもすごくいいですね。
小池栄子さんは、今まで特に何か意識して見てたことなかったんですが、こんなに上手な方だったんだってビックリしました。
小池栄子さんは劇中であることがきっかけで尼さんになるのですが、尼さんという方々がこんなにも美しいものだとは(笑)
うーん、尼さんっていいんじゃないですか?
小池栄子さんに何か不思議な扉をあけられてしまった感があります(笑)
まあ、あんまりネタバレなので詳しくは言えませんが、小池栄子さんの尼さん姿、めっちゃ神々しくて美しいです。
と、キャストの話だけでお話が終わってしまうので、次行きたいと思います。
魅力2、実際にあった事件「積水ハウス地面師詐欺事件」が元ネタ
この地面師たちの原作小説は、そのままおんなじ『地面師たち』というタイトルなんですが、こちらの小説は2017年に起きた
「積水ハウス地面師詐欺事件」
を題材にしています。
この事件は、大手住宅メーカーである「積水ハウス」が地面師グループに土地の購入代金として、なんと55億5千万円を騙し取られました事件なんです。
「積水ハウスの地面師詐欺事件」は東京都品川区西五反田にある旅館「海喜館(うみきかん)」の跡地をめぐって起こりました。
「海喜館」はおよそ2000平方メートルほどの土地でして、五反田駅から徒歩数分なので最上級の一等地です。
不動産ブローカーの間でも、この土地はかなり有名だったようです。
土地の所有者は、事件があった時は入院中で、羽毛田(はけた)正美という当時64歳だった女性がなりすましの被害にあいまして、地面師グループは必要な書類を偽造して、積水ハウスに土地の売却を持ちかけたわけですね。
そこで総額63億円をだまし取り、マンション購入費を差し引いた55億円ほどの詐欺に積水ハウスは合ってしまうのです。
魅力3、原作と実際の事件の違い→実際の事件を更にド派手にしている
地面師たちのドラマと実際の事件「積水ハウス地面師詐欺事件」の違いとして一番大きなのは被害金額です。
ドラマでは、実際の詐欺被害の金額の約2倍の112億円となり、スケールがとんでもないことになっています。
また、詐欺の舞台も異なっており、
狙われたのは、高輪(たかわ)ゲートウェイ付近のお寺で、土地の所有者も、旅館の経営者から尼僧になっています。
ここで、小池栄子さんが関係してくるわけですが、ぼくは、こんなも美しい小池栄子さんを見たことがありませんでした。
ぜひ、小池栄子さんが素晴らしい活躍をするので、ファンの方もそうでない方もぜひ見てみてほしいですね。
また、原作と実際の事件の違いでお伝えしたいこととしては、やはり詐欺のスケールが大きいだけあって、ドラマではかなりの人数が亡くなってしまいます。
100億以上のお金が動いているので、人がたくさん死んでしまうことはある意味では仕方ないとはいえますが、もしかしたら、実際の地面師たちが起こす事件も、影で事件が発覚していないだけで、もしかしたら人がゴロゴロ亡くなっている可能性もあるかもしれないのだ……と思うと、背筋が凍る思いです。
ちなみに、地面師グループのリーダーで豊川悦司さんが演じたハリソン山中には2人のモデルがいます。
カミンスカス操(みさお)という人と内田マイクという人なのですが、この二人は幸いといいますか現在は警察に捕まっています。
ドラマの「地面師たち」は犯人たちは警察に捕まるのか、それとも何とか逃げおおせてしまうのか……それはドラマを見てのお楽しみです。
魅力4、100億以上の地面師詐欺のメンバーとして事件を体験できる
このドラマの面白いところは、群像的に描かれているので、地面師グループの詐欺に合う被害者の目線と、被害者をはめて100億円以上の金額をだまし取ろうとする地面師グループの目線、どちらも体験できるところです。
被害者の目線では、なんとか騙されずに取引を終了させてほしいと思わせてくれますが、地面師グループの目線で犯罪の実行の現場に立ち会えるのは素晴らしい。
地面師グループの一員として計画を練り、途中で起こるさまざまなトラブルを解決し、見事詐欺にはめるという経験を体験できるのがこの地面師たちというドラマの醍醐味でしょう。
もちろん、地面師詐欺は決して許されない犯罪ですが、オーシャンズ11のようなチームでの怪盗というスリリングな楽しさや冒険はやはり魅力的で、やがて来るだろう裁きの時間も含めてぼく自身は大いに楽しませてもらいました。
地面師詐欺のスリルと、その行いには必ず代償があるのだ、という恐ろしさも一緒に体験することができたので忘れられないドラマ視聴体験になりました。
【最後に】地面師たちのドラマの続編は出るの?
それでは、最後に、地面師たちのドラマは続編は出るのでしょうか?
これについては、ドラマの続編が出るかどうかはわかりません。
でも、原作小説の続編は実はあります。
新庄耕(しんじょうこう)先生の原作小説の方は2024年7月、つまり先月ですね、『地面師たち ファイナル・ベッツ』が出版されたばかりです。
ここでも豊川悦司さんがドラマで演じたハリソン山中が出てくるので続編が楽しみですね。
さて、いかがでしたでしょうか。
ドラマ地面師たち、連日、Netflixのドラマランキングで1位をとるのも納得の素晴らしいスリルとサスペンスで、イッキ見確実です。
もし興味がある人はぜひ、見てみてください。
あなたは犯罪ドラマの最先端を目撃することになるでしょう。
次はケンガンアシュラを解説しようかな、それとも、東京都同情塔を解説しようかな。
どっちにするかはまだ未定です。
でも、また、次の解説で会いましょう!
それでは、ごめんなすって!
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