呉勝浩の爆弾はAudibleの朗読で聴け!星祐樹の演じ分けが秀逸すぎる【ミステリ傑作】

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ミステリ

遅ればせながら、このミステリーがすごい!2023年版』で1位に輝いた呉勝浩さんの『爆弾』を読了しました。
正直に白状すると、仕事と育児が忙しくて、腰を落ち着けて読んでいる時間がなかったのでAudibleで聴きました。

結論から言えば、朗読の形で聴いて本当に良かったー♪
お皿を洗ったり、料理をつくったり、掃除機をかけたりと家事の時に片耳にワイヤレスイヤフォンはめて聴いていたのですが、これがもう、最高に幸せな朗読の試聴体験になりました!

『爆弾』の朗読者の星祐樹さんと品田美穂さん、どちらの朗読も素晴らしいのですが、特に星祐樹さんのキャラの演じ分けが素晴らしくて、
「本当に星祐樹さんのパートは一人でやってるの? 実は何人かの朗読者が録音に参加してるんじゃないの?」
と疑ってしまうほどでした。

星祐樹さんの演じ分けはとても多彩で、声を聴いているだけで面白いです。
もちろん、小説自体の内容が良いのが前提ではありますが、鳥肌が立つほどの演技力で、これほど臨場感のある朗読を聴いたのは今回が初めてでした。
途中、何度も鳥肌が立つような迫真の演技があり、朗読はここまでの境地に達することができるのか、とビックリさせられています。

もし興味を持ってもらえるようでしたら、呉勝浩さんの『爆弾』ぜひ1度聴いてみてくださいね♪
大半の方が、書籍を買うよりも大幅に安い価格で読書(視聴)ができるかと思います。

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昨今本は高いので、普通に本を買っていたら1500円なんて1冊か2冊でいきます。
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しかも読む面倒さはなく、人気の声優や俳優、女優さんが魅力的な声と語りで読み聴かせてくれるんです!

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『爆弾』のあらすじ

爆弾のあらすじは以下の通りです。

些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

講談社BOOK倶楽部より抜粋

呉勝浩の『爆弾』の感想

まず、純粋にミステリとしての『爆弾』の評価・感想を。
さすが、『このミステリーがすごい!2023年版』で1位を取るだけあって、『爆弾』は控えめに言って傑作だと思います。
『爆弾』のタイトル通り、爆風で魂が月までぶっ飛んでしまうほどの衝撃的な内容のお話でした。

この小説の一番のセールスポイントは、やはり、ミステリ・サイコホラー小説の金字塔『羊たちの沈黙』を意識した犯人の強烈なキャラクターでしょう。

犯人は物語冒頭でいきなり登場するのですが、名前をスズキタゴサクといいます。
ふざけた名前ですよね。
この時点で、「犯人がタゴサク(田吾作)だぁ?」と拍子抜けするかと思いますし、ビジュアルも期待を裏切らずで、頭に十円ハゲがあるような冴えないオッサンです。

ところがどっこい、このオッサンは最初はコミカルでチャーミングでさえあるのですが、話が進むにつれ、次第に不気味で気持ちが悪くて得たいの知れない本性が露わになっていき、登場人物や読者の心をこれ以上ないくらいにザワつかせてくれるんです。

この『スズキタゴサク』の登場こそが、この『爆弾』という小説の一番の功績だと思います。
スズキタゴサクは、『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターや、映画『セブン(Se7en)』のジョン・ドゥに匹敵する新たな怪物と表現しても過言ではありません。

でも、魅力的なのは犯人スズキタゴサクだけではありません。
スズキタゴサクを追いつめ、東京中に仕掛けた爆弾のありかを自供させるために奮闘する刑事たちも皆、個性溢れる面々で、スズキタゴサクに負けず劣らずに惹きつけるものがあります。
個人的には、捜査官の清宮輝次(キヨミヤテルツグ)と類家(ルイケ)のコンビにはかなり痺れました。

『爆弾』は、近いうちに必ず映像化する作品だと思うので、ぜひ、今のうちに読んで(聴いて)予習してみてほしいですね。

それでは、もっと詳しく『爆弾』の見どころを更に詳しく紹介していきましょうか。

小説『爆弾』は読んでも凄いが、Audibleの朗読が断然おすすめ!

何度も言いますが、『爆弾』はAudibleで聴くと本当に凄いんです。
なに、その、焼きそばは単品でも美味しいけど、マヨネーズを入れるともっと美味しくなります、的な言い方は(笑)
でも、別にステマとかしたいのではなく、これは事実です!(断言)
これは個人のブログだし、ぼくは大好きなものしか推さないので…!

じゃあ、Audibleで聴くと何が凄いのか??
確かに、この『爆弾』という小説は読むだけでも素晴らしい。
紛れもない傑作です。

しかしながら、『爆弾』という小説のメインは、取調室内での会話劇
会話劇だったら実際に声を聴きたくありませんか。
尋問する側、される側の白熱した台詞の応酬が聴きたくなりませんか。
会話劇が話の中心である以上、実力ある朗読者や声優による会話の応酬こそが、この作品が最も際立つ表現方法だとぼくは思います。

だからこそ、犯人と刑事の手に汗握る緊迫の心理戦・頭脳戦を、実力ある朗読者や声優たちの台詞の掛け合いで聴きたいんです。
朗読者が登場人物に命を吹き込むことで、読者(聴き手)に熱や魅力が何倍も深く伝わるようになる
と思うんですよ!!

その意味で、朗読者の星祐樹さんと品田美穂さんは、本当に良い仕事をしてくれました。
どちらの朗読も素晴らしかったのですが、特に星祐樹さんの演じ分けが素晴らしい

星祐樹さんの迫真の演技力を感じたのは、やはり、犯人スズキタゴサクのねばっこくて不気味な演技です。
そして、何とか彼を追いつめようと奮闘する取調室の捜査官、清宮輝次(キヨミヤテルツグ)と類家(ルイケ)の二人のカッコよさ。

スズキタゴサクはコミカルだけれど不気味さも感じさせるネットリした中年オヤジの声。
清宮輝次は真面目で神経質、規範を重んじる中年の公務員的男性の声。
清宮のパートナーの類家は清宮とは対照的に、規範を重んじることよりも並外れた知力を買われ捜査一課特殊係に属することになった経歴があるため、飄々とした青年の声で演じられています。

星祐樹さんのメリハリが利いた演じ分けが物語の展開に熱や緩急やダイナミズムを生み出し、更なる没入感を与えてくれるのです。

個人的には、これまで色々なものをAudibleで聴いているのですが、2024年に聞いたAudible作品の朗読の中では間違いなく現時点でベスト。
香月住仁のAmazonAudible朗読大賞という賞があるなら、2024年は少し気が早いですが星祐樹さんにこそ上げたいと思います(笑)

もちろん『爆弾』の他にも、素晴らしい朗読者が参加することで内容に更なる深みが加わったり、面白いものになっている作品は山ほどあります。
だから、ぼくとしてはAmazonさんには、Audibleで良い朗読をした人を紹介する朗読大賞みたいなものをつくって欲しいです♪
動画配信サービス(Amazonプライム)の需要があるなら、素晴らしい朗読(Audible)で声が聴きたい、声を楽しみたいんだ! という需要だってたくさんあるはず。
ねえ、Audible朗読大賞をやりませんか、Amazonさん?(笑)

ちなみに、星祐樹さんがこれまでアニメや映画で参加している作品については不勉強であまり知っている作品はありません(強いてあげるなら『愛の不時着』のチョン社長?)。
でも、『爆弾』は間違いなく、星祐樹さんが手がけた仕事の代表作になると思いました。

星祐樹さんのTwitterもフォローしてるんですけど、なんでこの作品の朗読を全面に押さないのだろう?(笑)

『爆弾』の小説としての魅力や見せ場は?

しつこいようですが、『爆弾』の見せ場、面白いところは、やっぱり取調室での会話劇です。
他にも見せ場はありますが、この小説を最も輝かせているのは取調室の犯人対捜査官の尋問劇をおいてほかにありません(断言)!!

スズキタゴサクというコミカルかつ不気味でおぞましい、人間の常識では測れない怪物。
そんな特異の怪物と、警察の捜査官たちが取調室で真っ向から対決するという構図が面白くならないわけがないんですよ!

スズキタゴサクは本当に掴めない人物で、言葉ひとつでのらりくらりと質問をかわし、はぐらかし、彼を尋問する捜査官の価値観さえもグラグラと揺さぶってきます。

捜査官たちの試される倫理観と正義。
怪物スズキタゴサクと捜査官の対決は、いつの間にか、読者である私たちにまで作用し、その価値観までも変容させていくのです。

よくサイコサスペンス小説でも引用されるニーチェの言葉がありますが、ここでも引用させて頂きましょうッ!

「怪物と闘う者は、その過程で自分自身も怪物になることがないよう、気をつけねばならない。 深淵をのぞきこむとき、その深淵もこちらを見つめているのだ。」

フリードリッヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』

そういう意味では、何かに影響されやすい人はこの小説を読むことを避けた方が無難かもしれません。。。

相手はたった一人。
有利なのはこちらのはず。
しかし。
相手を追いつめていたつもりが、いつの間にか追いつめられていたのは自分の方だったなんて…!?
なんだ、この怪物は。一体、何者なんだ!?
この男の底が全く見えない…!!

正義と悪の激しいせめぎ合いは、一気に聴かされます。
特に、後半の展開なんて鳥肌が立ちっぱなしでした!!

犯人(怪物)と刑事の密室での対話劇といえば、『羊たちの沈黙』が、絶対に超えられない壁として君臨しているわけですが、呉勝浩さんの『爆弾』という小説も、取調室という密室における刑事と怪物の対決を堂々と描いており、このジャンルに真正面から向き合っている小説と言えるでしょう。

もちろん、ミステリ要素も素晴らしい。
『爆弾』の謎解きの難易度は、かなり高いです。
恥ずかしながら、ぼくは全く解けませんでした。
難問過ぎます!!
たとえば、相手のおふざけで爆弾の在りかと全然関係のないゲームをしているかと思ったら、意外なところから爆弾の場所にたどり着いてしまったりするんですよ…!?

ぼくなんかは、
「えー、嘘だろ、こんな手掛かりじゃ爆弾の場所なんて分かんねーよ!」
という悲鳴の連続で、それにも関わらず、僅かなヒントから論理的に爆弾にたどり着く捜査官たちのスーパー頭脳と、その更に上を行くスズキタゴサクの怪物っぷりには唸らされっぱなしでした。

ぜひ、サスペンスを楽しむだけでなく、謎解きにも挑戦してみてほしいですね!

『爆弾』というたった二文字のシンプル過ぎるタイトルの謎

ところで、昨今、
『異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する』
とか
『え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?』
とか
『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』
とか、やたら長いタイトルが多い中で、『爆弾』はなぜ、こんなにもシンプルなタイトルなのでしょうか。
SEO(検索エンジン最適化)的にもこれってどうなんでしょうか??

『爆弾』。
美しくて、シンプル。
本当に潔いタイトルですよね。
なにしろ、漢字でたったの2文字ですから。

ぼく自身は、これには、作者である呉勝浩さんの高い志を感じました。
呉勝浩さんは、7という数字を見たら映画『Se7en(セブン)』を思い出すように、『爆弾』という単語を聞いたらこの小説を思い出してほしい、という意図があったのではないでしょうか。

『このミステリーがすごい!2023年版』の呉勝浩さんのインタビューを読むと、呉勝浩さん自身『羊たちの沈黙』や『Se7en(セブン)』といったサイコサスペンス映画が好きで大きな影響を受けている、と仰っていたので、この読みもまったくの的外れではないと思います。

『爆弾』という2文字のタイトルには、これらの作品と同列に並べてほしい、という呉勝浩さんの野心をビンビン感じてくるのです。

【まとめ】『爆弾』はミステリとして傑作だが朗読で聴くと倍に面白い!

それでは、まとめに入ります。

呉勝浩さんの『爆弾』は『このミステリーがすごい!2023年版』の1位に選ばれているだけあって、まず、ミステリとして紛れもない傑作です。

なんで、こんな短い会話の中で爆弾の場所が論理的に導き出されてしまうんだ!?
とビックリさせられることは間違いないですし、先の読めない展開にも目が離せません。

そして何より、名犯人スズキタゴサクと警察の捜査官たちの取調室での会話劇がホントに素晴らしい。

スズキタゴサク、めちゃ怖い!!
清宮輝次、類家、超カッコいい!!
ぼくは類家(ルイケ)が大好きです!!!
類家、サイコー!!!!(笑)

というわけで、歴史に残る『取調室における犯人VS捜査官の対話劇モノ』の新たな傑作の誕生に立ち合えたぼくはイチミステリファンとして令和に生きる喜びをひしひしと噛みしめています。

さて。
ここから先は余談です。

ぼく自身は『このミステリーがすごい!2023年版を読んで、この『爆弾』という小説を読もうと決めました。

繰り返しにはなりますが、『このミステリーがすごい!2023年版』には、呉勝浩さんのインタビューが載っており、呉勝浩さんは90年代のサイコサスペンス映画である『羊たちの沈黙』や『セブン(Se7en)』、日本の黒沢清監督の『CURE』などに大きな影響を受けている、と語られていました。

ぼく自身も90年代の多感な時期にこれらの映画をリアルタイムで見ていたので、その気持ちはすっごくよく分かります。

もちろん、これらのサイコサスペンス映画は決して明るい題材の映画ではありません。
むしろ落ち込むような内容と後味の悪さで悪名高い映画たちなのですが、それと同時に、観るものの心に強烈なインパクトや鋭いナイフで切ったかのような深い傷跡を残す映画でもあり、未だ、多くの創作者たちに大きな影響を与えています。

小説『爆弾』の物語にも、呉勝浩さんがこういった映画が大好きな作家さんなのだ、と確信できる要素がたくさんありました。
だとすれば、おそらく、この人が過去に書いたもの、これから書くものにも、『羊たちの沈黙』や『セブン(Se7en)』の衝撃に匹敵するものや、それらの作品から受け継いだ文脈や熱い魂があるはずです。

自分の好きなものと同じものが好きな作家さんの作品って、すごく読んでみたくなりますよね。

ううむ、読みたい。
呉勝浩さんの他の作品も読んでみたいぞ。

ぼくはイチミステリファンとして、90年代を大いに盛り上げてくれたサイコサスペンス映画たちが与えてくれた衝撃や傷を、また、令和のこの時代に与えてくれる作品がないか、と無意識のうちに切望している自分に気づかされてしまいました。

というわけで、呉勝浩さん。
すっかりあなたは、ぼくの推しの作家です。
最近のぼくは、呉勝浩さんの他の作品を買い漁るのが趣味となっています。

また、呉勝浩さんの作品を読んだり聴いたりしたら、紹介するのでぜひ参考にして頂ければ幸いです。
ここまで読んでくださった方、長々と駄文に付き合ってもらい、ありがとうございます!!

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