今回は、一風変わった戦争漫画を紹介します。
名前は『五時間目の戦争』。
少年少女が正体不明の敵と戦うという戦争漫画なのですが、戦闘描写よりは日常生活がメインで描かれ、その描写に独特の味わいがあります。
テイストとしては、最終兵器彼女とそのヒロインのチセから、最終兵器成分を抜いた感じでしょうか。
そこに、ロボット成分を抜いた『ぼくらの』を足して2で割ると、五時間目の戦争になりそうな感じです。
五時間目の戦争はアニメ化する?
まだ、五時間目の戦争がアニメ化するかとうかは分かりませんが、ぼくは絶対アニメ化すると思っています。
なぜなら、すごく面白いから。
Amazonのレビューでは、面白くないとか、話が薄いとか言っている人もいますが、ぼくは面白いと思います。
五時間目の戦争の世界は、謎をすぐに明かさないので話がゆっくりとか、遅いとか言われますが、むしろ、それがいいんです。
謎がすごく気になって続きがめちゃくちゃ読みたくなりますし、この分からない感じの雰囲気が絶妙でいつまでも『五時間目の戦争』の世界に浸っていたくなります。
五時間目の戦争は、いま、ぼくが最もアニメ化して欲しい漫画の一つです。
すでに、五時間目の戦争は、単行本全四巻で完結していますので、今後の展開を考えずにやれると思うのでアニメ化もしやすいのではないかと思うのですが……(^^ゞ
五時間目の戦争はセカイ系なのか
五時間目の戦争をセカイ系という人もいるのですが、既存のセカイ系とは少し違う気がします。
評論家の東浩紀さんのセカイ系の定義によれば、
セカイ系とは「主人公(ぼく)とヒロイン(きみ)を中心とした小さな関係性(「きみとぼく」)の問題が、具体的な中間項を挟むことなく、「世界の危機」「この世の終わり」などといった抽象的な大問題に直結する作品群のこと」であり、代表作として新海誠のアニメ『ほしのこえ』、高橋しんのマンガ『最終兵器彼女』、秋山瑞人の小説『イリヤの空、UFOの夏』の3作である。
とされています。
ですが、五時間目の戦争は、ぼくときみの物語に終始してはおらず、主人公の双海朔と安居島都だけの関係だけでなく、ほかの中学のクラスメイトたちとの関係についても描かれています。
また、ヒロインの安居島都は特別な力を持たず、双海朔も、なにか特別な力を持たず、むしろ、二人とも出兵不適格者の烙印を押されます。
そういった意味で、二人は何か特権があるわけでなく、むしろ、二人だけが資格を持たず、不適合者で不名誉であるわけです。(見方によっては、戦争に参加しなくても良い分、それはそれで特権だと言えますが……)
このように、五時間目の戦争は、ヒーローとヒロイン二人が、それぞれ、ある意味では特権的な存在であるものの、ロボットの操縦者だったり、最終兵器だったりしない分、既存のセカイ系とは違ったかたちで、自意識が描かれています。
新世紀エヴァンゲリオンにも影響が受けているのは確実だと思いますが、どちらかというと、戦争中の描写については『最終兵器彼女』、死ぬかもしれない同級生と接するというストーリーは『ぼくらの』の方が強く影響を受けているのではないかと感じました。マブラヴ オルタネイティヴにも似たものがあるかもしれませんね。
また、双海朔は、ヒロインであるはずの安居島都よりも、同じくクラスメイトである篠川零名に惹かれている節があり、そのあたりも、単純なセカイ系とはまた一つズレており、どのような物語が進んでいくのか気になってしまい、とても惹かれます。
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